2010年10月7日木曜日

注目の対局迫る!勝負の行方は?

将棋の清水市代女流王将(41)とコンピューターの将棋ソフトが11日、東京大学で対局する。情報処理学会(白鳥則郎会長)が創立50周年事業として挑戦状をたたきつけ、日本将棋連盟(米長邦雄会長)が女流の第一人者を立てて迎え撃つ。さて勝負の行方は?
将棋ソフトがプロ棋士と対戦するのは、渡辺明竜王に敗れた07年以来。
「苦節三十余年、今回は9割方、ソフトが勝つでしょう」。情報処理学会側のスタッフで、「コンピュータ将棋協会」会長の滝沢武信・早稲田大教授(58)=応用数学=は自信を見せる。74年、世界で初めて指し将棋のソフト開発を始めた。
「当初はルール通りに駒を動かすので精いっぱい」(滝沢さん)で、84年に小学生名人に挑戦して惨敗。それでも90年から「コンピュータ将棋選手権」を開き、ソフト開発者同士で腕を磨いてきた。
将棋の場合、ある局面で可能な指し手(駒の動かし方)は平均して約80。人間は直感的に良さそうな手に絞ってその先の展開を読むが、ソフトは可能な手すべてについて、指し手と相手の応手を検討し、最善手を選ぶ。
97年にはチェスの世界チャンピオンがソフトに敗れたが、取った相手の駒を再使用できる将棋ははるかに複雑だ。現れる可能性のある局面の数はチェスが10の120乗程度に対し、将棋は10の226乗程度と段違いだ。
将棋ソフトの実力は、06年に選手権を制覇した「ボナンザ」の登場以降、急速に向上した。ボナンザにはプロの棋譜(指し手の記録)を学習させ、形勢判断の基準とさせている。プログラムの中身も無償公開され、他のソフトの開発に弾みがついた。主力ソフトは、最終盤の「詰み」の場面では既にトッププロをしのぎ、女流プロを上回る実力を持つとされるアマ強豪に勝つまでになった。
今回、対局するのは、最近5年間の選手権で優勝経験のある「ボナンザ」「YSS」「激指」「GPS将棋」の4ソフトが多数決で指し手を決めるシステム「あから2010」。あから(阿伽羅)は、仏教用語で10の224乗のことで、将棋で可能な全局面数に近いことから命名された。
「多数決にすることで、ミスや見落としを防げる」と滝沢さん。「清水さんに勝ち、数年のうちには名人、竜王に挑戦したい」と意気込む。
一方、日本将棋連盟の米長会長は「普段通り指せば清水さんが勝つでしょう。コンピューターが得意とするのは正解が一つの場面。幅広い選択肢のある局面、ファジーな場面では人間の直感と大局観が勝る」と自信たっぷり。「いつかはソフトに抜かれる日が来るかもしれない。だからといって、将棋の魅力がなくなるわけではない」と話す。
かつてプロ棋士を目指した古作登・大阪商業大アミューズメント産業研究所研究員は「7対3でソフト有利と見るが、心情的には清水さんに勝ってほしい。作戦選択と戦略的な時間の使い方をすれば十分にチャンスはある」と話す。
古作さんによれば、ソフトは無難な手を指す待機作戦や、互いの王将が相手陣地に入る「入玉」と呼ばれる形がやや苦手。「ソフトに意表を突かれた時に慎重に対応するため、終盤に持ち時間を残しておくことが必要」とアドバイスする。
対局は11日午後1時から東京都文京区の東京大工学部2号館で。対局場は非公開だが、当日先着500人は大盤解説場に入場できる。入場料1000円。対局は女流棋士会ファンクラブのホームページ(http://komazakura.shogi.or.jp/)で中継される。あと数日に迫って来ましたね。どちらが勝つんでしょうかね?興味深いですね。是非ネット中継で御覧あれ!

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