大阪大付属病院は13日、脳死からの膵臓と腎臓の同時移植を受けた大阪府内の40歳代の女性が、男児を出産したと発表した。同病院によると、国内の臓器移植後の出産は生体肝移植後は数例あるが、脳死下では国内初。母子ともに経過は順調という。
会見した同病院の伊藤寿記(としのり)教授(消化器外科)によると、女性は1型糖尿病による合併症のため、平成19年に同病院で脳死からの臓器提供手術を受けた。女性は出産への強い希望があり、移植後に必要な免疫抑制剤という薬も副作用の少ない種類に変更した。
この結果、昨年秋に一度流産したものの、今回の2度目の妊娠は、順調に推移し、妊娠38週の13日夕、帝王切開で2882グラムの男児を出産した。女性は「移植医療がなければ、新しい生命は生まれなかった」と感謝の言葉を口にしたという。伊藤教授は「法改正で脳死からの臓器移植は増加しており、出産するケースも今後は増えるのではないか」と話した。
一つの死が臓器提供という形をとって命をつなぎ、そしてまた新たな命を生み出す。移植医療のありがたさを感じますね。
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