3月に閉校した高知県立大栃高(高知県香美市物部町大栃)の生徒が残したユズ菓子のレシピを基に作ったパウンドケーキの専門店が30日、同校近くに開店する。
同市物部町は全国有数のユズ生産地。「高校の足跡を残したい」という生徒の思いを受け止め、地元の物部町婦人会が準備を進めてきた。メンバーは「若者の熱意が生んだレシピを、過疎に悩む物部を活性化する目玉に」と意気込む。
店名は、生徒が作った同校のキャラクター「トッティ」から取った「ポンド・エ・トッティ」。市の施設「奥物部ふるさと市」の空き店舗を借り、市の助成を受けて出店する。
閉校が決まっていた2007年12月、同校の家庭クラブの生徒が、「大栃高校の名前を残しながら、お世話になった地元の人に恩返ししたい」と、特産のユズを使い、38種類の菓子や料理などの作り方を細かく記したレシピ集を作成した。
「生徒の思いを地域に根付かせよう」。レシピの存在を知った婦人会が、昨年3月から同校に通い、生徒から作り方を学んだ。数種類のお菓子を地域のイベントで販売。特に好評だったパウンドケーキに特化した店を出すことにし、酸っぱくなりすぎないように試行錯誤を重ねた。
物部町は、ユズ果実の出荷量が日本一。メンバーは農家が多く、材料のユズは自家栽培分を持ち寄った。果汁とユズ酢、すり下ろした表皮が入り、風味豊かに。小麦粉、バターは良質な北海道産、砂糖は鹿児島・種子島産と本格的。店内で焼き、中まで生地がぎっしり詰まり、しっとりした食感が楽しめる。
メンバーはすべてボランティア。店長の岡本伸子さんは「高齢化が進む町を元気にしたい。若い人が戻り、店を継いでくれれば最高」と語る。家庭クラブ最後の部長だった山崎和成さん(同市香北町太郎丸)は、高知学園短大で栄養学を学んでおり、「地域の食材を使った活性化が夢だったので、レシピが商品になって感謝している。将来は料理人になって、物部で店を出したい」と喜ぶ。
まるまる1個の「ミディアム」が700円、小切りは200円。カボチャ(ユズと同価)、チョコレート(800円、小切り230円)、ブランデー(ミディアムのみ1000円)の4種類。緑茶などの新商品も開発中という。営業は金〜月曜の午前10時〜午後4時。11月は火曜と祝日も開く。
生徒さんたちの地元を思う想いが具体的な形となって地元の復興に一役買うようになると良いですね。そして若者が戻ってくると良いですね。
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