奈良先端科学技術大学院大学の橋本隆教授、庄司翼助教らは植物のタバコのニコチン量などを調節する遺伝子を突き止めた。品種改良の効率化や低毒性のたばこ開発などに役立つ。薬用植物でよく似た遺伝子も見つかっており、薬剤の安価な生産にも貢献できる可能性がある。成果は米植物専門誌プラント・セル(電子版)に掲載された。
タバコは害虫に葉を食べられると、その情報が根に伝わり、虫が嫌う化合物のニコチンを作り、ニコチンは葉に運ばれてたまる。ニコチン作りや運搬にかかわる遺伝子は10個以上見つかっているが、全体を制御する遺伝子は未解明だった。
研究チームは葉にニコチンがあまり蓄積しない品種を調べ「NIC2」と呼ばれる遺伝子を見つけた。根の培養実験でこの遺伝子量を抑えると他のニコチン関連遺伝子も抑制され、ほとんどニコチンができなくなった。過剰に働かせるとニコチン合成量は増えた。低ニコチンタバコの開発などに役立ちそうだ。
抗がん剤に使われる化合物を作るニチニチソウでも、NIC2とよく似た遺伝子が見つかっている。薬用植物でこうした遺伝子を調節して化合物の合成量を増やせれば、薬剤の安価な生産につながるとみている。
たばこは大幅な値上げのあおりを受けて消費が落ち込んでいるようですが薬剤関係の安価な生産の方面に実用化せれていくと良いのかもしれませんね。
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