脳梗塞急性期の新しい治療として10月から、血管内の血栓を除去して血流を再開させる医療機器「Merci(メルシー)リトリーバー」が使用できるようになった。発症後3時間以内であれば薬で血栓を溶かす治療があるが、投与できない患者や効果がない患者を対象に、発症後8時間まで治療可能。鳥取県内では鳥取大学医学部付属病院(米子市西町)で治療が始まり、「時間」が鍵を握る脳梗塞治療の新たな手段として注目される。
脳梗塞は、血管が詰まって脳が壊死する病気。発症から時間が経つほど死亡や後遺症などのリスクが高まり、日本人の寝たきりの最大の原因といわれる。
脳梗塞の中でも心臓から血栓が飛んで血管をふさぐ心源性脳塞栓などの場合、発症後3時間以内は血栓を溶かす薬「t—PA」による治療が行われる。しかし、投与できない適応外の患者や投与しても効果がない患者には打つ手がなかった。
Merciリトリーバーは、先端にらせん状のループを持つ、太さ2〜3ミリのワイヤ状の機器。マイクロカテーテルの内部に挿入した状態で血管内を通し、血栓がある部分に到達するとループが展開して血栓をからめ取る。
使用は実施基準を満たした施設と医師に限られ、鳥取県内では当面、鳥取大学医学部付属病院で治療を受けることができる。
同病院脳神経外科の坂本誠統括医長は「脳梗塞の治療で最も重要なのは時間であり、その幅が広がる意味は大きい。すべてのケースに有効というわけではなく、一定のリスクもあるが、これまでt—PAが適応外や無効で治療できなかった患者さんに対し、有効な治療となる可能性がある」と展望している。
使用は実施基準を満たした施設と医師に限られるようですが多くの病院で使用できるようになると良いですね。
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