2010年10月21日木曜日

やさいソムリエのみせ ペポ

札幌市中央区の桑園地区に、すべての店員が野菜ソムリエの資格を持っているという、全国でも珍しい青果店がオープンした。プロの目利きで全国の野菜や果物をそろえ、店内では野菜のミニ講座や料理教室も定期的に開くという。
店の名前は「やさいソムリエのみせ ペポ」。JR桑園駅から徒歩3分の場所に今月4日、オープンした。「ペポ」は、ズッキーニの学名の一部から取った。
オーナーの田中由美子さんは、野菜ソムリエの最高峰、シニア野菜ソムリエの資格を持つ。日本野菜ソムリエ協会(東京)によると、全国約3万2千人の野菜ソムリエのうち、シニアは61人、道内は4人しかいない。
店員は田中さんを含めて5人。全員が野菜ソムリエの資格を持っており、「同様の店は全国でも例がない」(同協会札幌支社)という。田中さんは「店頭でお客さんとふれあい、正しい保存方法や調理の仕方を伝えたい」と話す。
田中さんはもともと、札幌市内で60年以上続く青果物の販売会社を家族で経営していた。ホテルなどに納品していたが、不況による安売り競争の中、会社の方向性を見失いそうになったという。
54歳のとき、野菜ソムリエの存在を知り、資格取得の勉強にのめり込んだ。野菜のことを知るほど、「自分が本当においしいと感じる野菜を届けたい」との思いが強くなり、4年前に会社を閉め、ペポの開店準備を進めてきた。
店頭には、全国の野菜が並ぶ。ひょうたんの形をしたカボチャ「バターナッツ」や沖縄産の四角豆、真っ白な「シルクなす」など、スーパーでは見かけない野菜も多い。日にもよるが150種類近くの野菜、果物をそろえる。
豊富な品ぞろえを支えるのは田中さんが培った人脈だ。東京で野菜ソムリエの養成講座を一緒に受けた仲間たちの協力もあり、東京の大田市場や築地市場に集まる全国の野菜が手に入るという。
真狩村のリーキやゆり根など、道内の高品質な野菜は道外のソムリエ仲間に紹介している。「良い物を作っている道内の農家を後押ししたい」との気持ちからだ。
店内にはサロンも設けた。フルーツティーやサワードリンクを無料で振る舞い、果物の試食も勧める。田中さんは「野菜には癒やしの力がある。お客さんの『おいしい』の一言で、私たちも元気が出る」と話している。
秋野菜が高騰などもあって安売りに方向にいきやすいご時世ですが良い野菜を作っている農家と消費者をつなぎ、様々な野菜の調理方法等を提供するこの手の試みが本当に必要な時なのかもしれませんね。是非本物の野菜で日本の食卓を元気にしていって欲しい気がしますね。

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