「薬師寺21世紀まほろば塾」(法相宗大本山薬師寺、読売新聞社主催)の東京塾が開かれた29日、東京・日本橋の三越劇場に詰めかけた約500人は、作家で天台宗僧侶の瀬戸内寂聴(じゃくちょう)さんのユーモアたっぷりの法話に耳を傾け、塾長の安田暎胤(えいいん)・同寺長老との「平和」をテーマにした対談を楽しんだ。
冒頭、読売新聞東京本社の老川祥一社長が「痛ましい事件が毎日のように起きており、日本人の美徳が失われていくという危機感がある。だからこそ、美しい秀でたところという意味の『まほろば』の心を取り戻すことが大事だ」とあいさつした。
続いて、瀬戸内さんが「思いやる心」との題で、他人の気持ちを想像することの意義を説き、「自分が幸せになるには、まず他人のことを思いやって」と呼びかけた。また、来場者が「元気の源は何ですか」などと質問すると、「好きなことをどんどんやることです。あなたもぜひどうぞ」と回答。会場から拍手や笑い声が起こった。
安田塾長との対談では、創作活動に限界を感じて仏の道を志し、作家で僧侶の今東光さんに頼んで出家した経験を披露した。安田塾長は「被爆国の日本は世界の平和のリーダーになるべきだ。みなさんも平和であるようにと心で念じながら生活してほしい」と訴え、瀬戸内さんは「仏の教えにも殺すなかれ、殺されるなかれとあります」と応じた。日本の美徳が世界を救う鍵になっていくのかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿