最初の勅撰(ちょくせん)和歌集として知られる「古今和歌集」の歌がすべてそろった完全な写本が見つかったと、甲南女子大(神戸市東灘区)が20日、発表した。鎌倉時代初期の写本とみられ、序文として編さんの意義や目的を漢字で記した「真名序」と、ひらがなで記した「仮名序」がある完全な写本としては最古という。
同大の米田明美教授(日本文学)は「古今和歌集が現在の形になるまでの経緯など、和歌の研究上、貴重な資料だ」と話している。
古今和歌集は10世紀初頭、天皇の勅命に基づいて紀貫之らが選者となった最初の勅撰和歌集で、平安時代の貴族にとって必要な教養とされた。
見つかった写本は上下2冊で、縦約16センチ、横約15センチ。どちらも220ページ前後あり、約1100首すべてがそろっている。古今和歌集はこれまで多くの写本が見つかっているが、鑑定の結果、書風や上の句と下の句の書き分け方の特徴から、鎌倉時代初期の1220年ごろから1240年ごろの間に、写されたと推定されるという。
歌の数などから、小倉百人一首の選者としても知られる鎌倉初期の歌人、藤原定家が若いころに筆写したものをさらに写したとみられるが、誰が書き写したかは特定できないという。
写本は、1982年に大学が都内の古書店で428万円で購入。貴重書専用の書庫に保管されていたのが2008年9月に見つかり、鑑定作業を進めていた。
日本文化の知る上で貴重な資料ですから大切に保管し、是非和歌の研究に役立てて欲しいですね。
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