化粧品を改良した指紋採取器、アクリルパイプで作ったペットボトルの指紋やDNAを採取しやすくした専用ホルダー。県警の鑑識課員らが自分で考案したオリジナル鑑識器材などを発表した。このほど、「鑑識技術研究発表会」が開かれ、オリジナル鑑識器材など独創性豊かな13点が発表された。優秀作品6点のうち数点は来年東京で開かれる「鑑識技術研究会」で発表されるという。実用化に期待がかかる。
同会は毎年開催され、今年で51回目。鑑識課員を始め、各警察署の鑑識係や科学捜査研究所員らがオリジナル器材などを発案。61点の応募があった。
新居浜署の鑑識係、安藤尚子巡査部長は、指紋採取の際に使う「粉末内蔵式ダスター刷毛(ばけ)」を考案し優秀作品に選ばれた。従来、事件現場などで指紋採取する際、はけをケースに入った粉末につけ、粉末の付いたはけで証拠品を払い、指紋を採取していた。しかし、粉末が飛び散ったり、ケースから粉末をこぼしたりすることも多かったという。
そこで安藤さんは、はけの内側からパウダーが出る、化粧品のフェースパウダーの筒を使うことを考案。筒の内側に鑑識用の粉末を詰め、はけは鑑識用のものにつけかえて、ボタンを押すとはけの内側から粉末が出るようにした。これによって粉末をまき散らさずにすむという。
安藤さんは「化粧している最中に思いつきました。はけにどれくらいの穴を開けるのか調整するのに苦労した。これで効率よく指紋採取ができます」と笑顔だった。
鑑識課によると、県警で開発した技術研究は、過去にも科学技術庁長官賞や警察庁長官賞などを受賞しており、実用化されているものも多いという。同課の檜垣賢治・指導課長補佐は「どれも現場の鑑識活動でのつまずきや必要性から生まれたもの。愛媛県警発のアイデアが全国で使われるようになってくれればうれしい」と期待を寄せた。女性ならではの作品ですね。ぜひ実用化されると良いですね。
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