「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録の実現へ向け、鎌倉市と湘南工科大学(藤沢市)は七日、情報技術(IT)を駆使した鎌倉の文化財の紹介、PRに協力して取り組む覚書を締結した。第一弾として、今は跡地だけで、幻の永福寺(ようふくじ)をコンピューターグラフィックス(CG)で復元し、公開した。
永福寺は、鎌倉宮の北側に位置し、源頼朝が奥州征伐の戦没者供養のため建立。本堂と阿弥陀堂、薬師堂に回廊や池などが配置された壮麗な寺院だったとされるが、火災に遭って室町時代末期に廃絶した。跡地は国指定史跡で世界遺産登録の候補資産となっている。
CG復元は、市の発掘調査のデータや当時の建築様式、専門家の助言などをもとに、同大の長沢研究室が六年がかりで完成させた。四分半の動画で、寺院を極彩色で立体的に復元しており、ナレーションによる解説がついている。公開は八日からで、市のホームページ内にある世界遺産の項目から入る。
このほか、現在位置を示す衛星利用測位システム(GPS)機能を備えた携帯電話を使い、世界遺産候補の寺社などから位置情報を送信すると、自動的にその建物を特定。情報サイトから、その文化財に関する解説などのデータを受信するサービスの準備を進めている。
鎌倉フィールドミュージアム(仮称)と名付けたサービスで、観光客らに鎌倉の文化的価値を広く知ってもらうのが狙い。すでにシステムの基本部分はできており、今後は市とともに提供する文化財のデータ制作を推進。登録への状況を見ながら、サービス開始時期を決める方針。
覚書の締結式には、松尾崇市長と谷本敏夫学長が出席して調印。記者会見で松尾市長は「ITを活用し、産学協働で情報発信の拡充を進めることは、世界遺産登録に大きなプラス。意義の深い取り組みだと思う」と、成果に期待を寄せた。
CGを見たい方はhttp://www.city.kamakura.kanagawa.jp/treasury/yohukuji_cg.htmlにアクセスして下さい。世界遺産登録に向けて弾みになると良いですね。
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