国内では珍しいミニチュア・シュナウザーの和歌山県警の警察犬「クゥ」(オス・3歳)が、その小さな体を生かして、災害救助や爆発物捜索など、新たな訓練を始めた。
体高33センチと普通の警察嘱託犬のシェパードやドーベルマンの約半分だが、自慢の鼻では負けていない。
クゥはもともとはペットとして飼われていたが、2007年6月、「ほえるくせを直してほしい」と飼い主の高見さん(和歌山県日高町)が藤谷警察犬訓練所(和歌山市西)にクゥを預けた。通常、習得に半年以上かかる服従を3か月でマスター。指導手の大会に出場させたところ準優勝し、2か月後、優勝した。
この勘の良さに藤谷所長が着目、遺留品から犯人のにおいをかぎ分ける「臭気選別」など警察犬の訓練を開始した。日本警察犬協会は中、大型の7犬種を指定しており、小型犬が選ばれることはまずないが、09年11月、2回目の挑戦で合格した。
警察犬になったクゥだが、現場出動はまだない。今は、「倒壊家屋などに取り残された被災者を探すには、クゥの小さな体が役に立つ」(藤谷所長)と、災害救助犬と爆発物捜索犬も目指している。火薬のにおいを探し出す訓練や、がれきの中に入り込む訓練にも、持ち前の集中力で、まじめに取り組んでいる。
この夏から紀の川河川敷(紀の川市)で行われている訓練では、木の板や防水シートなどをがれきに見立て、その陰に隠れた人を、においで探索。見つけると激しくほえて知らせるなど、結果は上々だ。高見さんは「うちの子ながらすごいと思います」と成長ぶりに目を見張っている。体の小ささと鼻の良さを生かして働き場所を見つけておおいに活躍して欲しいですね。
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