東京都医学研究機構は30日、都臨床医学総合研究所などが世界で初めて、人工的に正常な血管を作ることにマウス実験で成功したと発表した。皮膚の損傷や脳卒中、心筋梗塞(こうそく)などへの新たな治療法開発が期待されるという。研究成果は31日の循環器病分野の最高峰とされる米国学術専門誌「Circulation(サーキュレーション)」に掲載される。
研究は、都臨床医学総合研究所の柴崎太副参事研究員と都立駒込病院らの研究グループが実施。柴崎研究員らはこれまで乳がん抑制因子として知られていた遺伝子が、正常な血管の形成を妨げる「ストッパー」の役割を担っていることを突き止め、この遺伝子の作用を消すRNA(リボ核酸)分子を新たに作り出し、ストッパー機能を取り除くことに成功したという。
マウス実験では、マウスの皮下に正常で丈夫な動脈と静脈を同時に作ることに成功。さらに糖尿病のマウスの傷ついた皮膚に用いたところ、治癒を早めることができたという。
従来の研究でも、動物実験で人工的に血管を作ることができたが、ほとんど弱い動脈のみだった。
都医学研究機構は「サルを用いた動物実験で、この技術に毒性がないことを確認している。大手の製薬企業などの支援があれば、早ければ5年ほどで実用化できるのではないか」としている。これによって助かる命もたくさんあるように感じますね。早めの実用化を目指して欲しいですね。
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