2010年9月28日火曜日

「歯胚」の細胞からiPS細胞作製

親知らずのもとになる「歯胚」の細胞から、さまざまな組織の細胞になるとされる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作ることに産業技術総合研究所(兵庫県尼崎市)のチームが成功し、27日発表した。
通常使われる皮膚の細胞から作るよりも100倍以上効率が良く、できたiPS細胞から腸や軟骨、神経、心筋の細胞ができることも確認した。
チームの小田さんは「抜歯の際に捨てられていた親知らずの歯胚組織から安全なiPS細胞を効率よく作れた。再生医療に必要な細胞バンクの設立に貢献できる」としている。
チームは凍結保存していた10代の3人の歯胚細胞から、効率を上げるのに使用される、がん遺伝子cMycなしでiPS細胞を作製。cMycを使わない場合、皮膚の細胞では0.001%以下の効率が、歯胚では0.1%以上のものもあった。
同じ歯胚からとった細胞でも、PAXIP1という遺伝子が活発に働いている細胞からはiPS細胞が特に作りやすかった。今後、この遺伝子を解析し、iPS細胞が効率良くできる仕組みの解明を目指す。成果は、米科学誌に掲載された。是非研究を進めて効率良くiPS細胞を作り出す方法を確立して下さい。

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