2010年11月27日土曜日

宇宙での食料生産に道を開く快挙

国際宇宙ステーション(ISS)で収穫した小麦の種子が、岡山大学資源植物科学研究所(岡山県倉敷市)で発芽した。心配された宇宙線による遺伝子損傷も少なく、宇宙での食料生産に道を開く快挙という。
実験は、同研究所がロシア科学アカデミー生物医学研究所(モスクワ)と進める宇宙穀物の共同研究の一環。2009年11月、ISSの植物栽培装置で栽培を始め、今年2月、種子の収穫に初めて成功した。1996年に米航空宇宙局(NASA)が別の宇宙ステーション「ミール」で小麦の栽培に成功したが、穂の中に実ができず、種子がとれなかったという。
今年3月、種子15粒をソユーズで地球に持ち帰り、うち5粒を岡山大の杉本学准教授が譲り受けた。22日にシャーレにまいて温度20度の培養庫に置くと、23日に3粒、24日に1粒が発芽した。
今後、生育スピードや実の数、遺伝子の違いを地球産の小麦と比較する。順調なら6月ごろに収穫できるという。
杉本准教授は、ISSで06年に約5カ月保存した大麦の種子を地球で栽培し、「宇宙ビール」の醸造に成功しており、「宇宙線の多い過酷な環境でも食料生産は夢じゃないという手応えを感じた。将来、宇宙小麦のうどんや即席めんができれば面白い」と期待している。過酷な環境でも植物は十分生きて種子を結ぶんですね。将来、宇宙産の食物を口にするのが当たり前の時代がくるのかもしれませんね。

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