光を当てると曲がる樹脂フィルムを作ることに、理化学研究所と東京大のチームが成功した。光を感知して変形する化学物質「アゾベンゼン」を使い、ごくわずかな変形が目に見える動きになるよう工夫した。光で動く「人工筋肉」や電子部品、太陽電池の材料など幅広い応用が可能という。5日付の米科学誌「サイエンス」に掲載される。
アゾベンゼンはオレンジ色の染料だが、紫外光を当てると分子の構造が変化して縮み、可視光を当てると元に戻る性質がある。縮み幅は1000万分の4ミリとごくわずかだ。
理研の福島・基幹研究所チームリーダーらは、アゾベンゼン3個をつなげた「毛」を持つブラシ状の部品「ポリマーブラシ」(直径5万分の1ミリ、長さ1万分の1ミリ)を作成。これを並べて薄膜に加工し、光を当てると自ら曲がる新素材を作ることに成功した。生物の筋肉も、分子レベルの小さな構造変化が無数集まって大きな動きを作っている点で共通している。
東京大大学院生の細野さん(材料化学)が、フッ素樹脂シートにポリマーブラシの粉末をはさみ、アイロンのような装置でプレスするとブラシがきれいに並ぶことを偶然見つけ、新素材の発明につながった。この技術を応用すれば、太陽電池の発電効率を飛躍的に高める材料も作れるという。様々な応用が考えられそうですが是非実用化につながる応用を考案して欲しいですね。
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