帝京大理工学部(栃木県宇都宮市)の学生たちによるサークル「宇宙システム研究会」が設計した人工衛星「テイキョウサット」が、20日に静岡市で開かれた「衛星設計コンテスト」で日本機械学会賞を受賞した。今後もさらに完成度を高め、実際の打ち上げを目指す。
コンテストは、宇宙産業での人材育成を目的に宇宙航空研究開発機構(JAXA)や関連学会が主催し、1993年に始まった。大学院や大学、専門学校の学生が人工衛星の設計を競い、優秀作品は実際に宇宙に打ち上げられたこともある。
帝京大の宇宙システム研究会は航空宇宙工学科の学生や大学院生ら約20人でチームを作り、「微生物の観察」をテーマに人工衛星を設計。大学や高専など17校が応募した「アイデア部門」に参加した。最終選考に残ったのは帝京大を含め、防衛大、東京工業大、鳥羽商船高専の4校。部門の最優秀賞に当たるアイデア大賞は「該当者なし」だったが、衛星の構造や着眼点が評価されて主催者賞の一つ日本機械学会賞を受賞した。
「テイキョウサット」は30センチ角の立方体をした小型衛星で、重さは約20キロになる予定だ。微生物の粘菌をアルミ合金製の容器に入れ、無重力状態や宇宙での放射線がどのように影響するかをデジタルカメラで観測する計画だ。
主に物理学などが専門の学生たちにとって、微生物や構造設計、放射線は専門外。勉強のために学内外の研究室を訪ね回ってノウハウを学んだという。また、合金の専用容器はさくら市内の金属加工メーカー「湯原製作所」が無料で引き受けた。同社は航空宇宙分野への進出を目指しているといい、「宇宙産業のノウハウを学ぶためにも、できるかぎり協力したい」と前向きだ。
顧問の久保田教授は「人工衛星の設計は総合的な科学。他の研究者や地元の企業の協力が必要」と話す。
今後の課題は、評価されたアイデアをもとに実物の人工衛星を作り上げることだ。来年のコンテストでは、より具体的な実現性を審査される「設計部門」に参加する予定だ。 是非地元の企業とも連携しながら衛星を具体的に打ち上げる所まで持っていって欲しいですね。
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