氷河期再来の就職戦線で、中小企業への就職を目指す学生が増えている。大手の門戸が狭まっていることが大きいが、希望する仕事との相性を見極め、積極的に中小を選ぶ学生も。背景には、就活サイトで大量の学生から応募を受け付けて、流れ作業のように進んでいく大手の選考への疑問があるようだ。
早稲田大政治経済学部四年、岩城さんが就活を始めたのは「よさこい」の踊りのサークルを引退した昨年11月。マスコミ、金融などの説明会を回った。だが、質問時間が短く、仕事をイメージできなかった。今春、大手損保と地銀二行から内定を得たものの、違和感は残ったままだった。
もう一度「好きなこと」を見つめ直した。そして出た答えが「天体観測」。子供のころのぞいた望遠鏡のメーカー「ビクセン」(埼玉県所沢市、正社員57人)への就職を目指すことにした。キャンプで見た流星群や、天体望遠鏡でのぞいたクレーターに感動。大学で天文同好会にも入った。
ビクセンは天体望遠鏡のシェアが国内一。独自の技術や学校への天文普及活動で、政府の「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれている。だが、就活サイトに採用情報を載せていなかった。
そこで直接、メールで思いを伝えた。社長と一対一の説明会と面接があり、6月に内定した。「中小企業は、社長と合うかどうかが大事。選考は大変だが、会社のビジョンの説明など大手にできない丁寧なケアをしてきた」と、新妻社長は狙いを話す。
岩城さんはサークルでイベントを企画した経験を生かし「人を集める仕事をしたい」とアピール。詳しい仕事内容を尋ねた。「創業60年の歴史があり、安定性もある。納得いくまで話しこみ、質問もできました」
中小企業志向は、就活を始めたばかりの2012年卒業予定の学生にも。都内の私大3年生の女性は「日本経済は(企業数の大半を占める)中小企業で成り立っている。目を向けたほうが、興味ある仕事が見つかる」と理由を話す。
この夏、従業員100人ほどの印刷会社のインターンシップ(就業体験)に参加。インターネットや大学の説明会で、就活サイトにない会社も探す。給与や福利厚生を理由に大手を目指す学生は多いが、「それだけで決めると続かない。本当に自分が楽しめるかどうかが大事」と思いを語った。
就職が未だ決まらない来春卒業の大学生がかなりいるとニュース報道もありましたが元気にもの作りを進めている優良な中小の企業もまだたくさんあるように感じます。是非夢と希望を持って自分に合った中小企業を見つけて。その企業を大きくしていったら良いんじゃないでしょうかね。ガンバレ大学4年生!!
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