秋田大は、食品ろ過に使用した後の珪藻土(けいそうど)ともみ殻から高純度のシリコン(金属シリコン)の作製に成功したと発表した。金属シリコンは主に半導体や太陽電池の原料として使われ、現在は大半を中国からの輸入に依存している。国内でも豊富にある廃棄物を組み合わせて低コストでの量産を目指す。
研究に携わった同大の村上英樹講師によると、従来の珪石とコークスを使う作製法は大量の電力を必要とし、国内消費のほぼ全量が輸入で、このうち90%は中国から。近年は価格が高騰している。
珪藻土は藻の一種である珪藻の殻の化石が堆積(たいせき)したもので、主成分は二酸化珪素。高い吸着性、保水性、保温性などが特徴で、ビール工場などではろ過剤として使われている。
大学は産業廃棄物として捨てられていた使用済み珪藻土を引き取り、コークスに代わる材料としてもみ殻を使用。互いに反応しやすい性質があり、消費電力を抑えながら純度99%以上の金属シリコンを作製することに成功した。半導体に使うにはさらに高い純度が求められるが、太陽電池やポリエチレンなど石油系高分子材料代替品の原料として精製するには十分だという。
村上講師の説明では、廃棄物同士で原料費が低いため、現在の夜間電力料金であれば輸入価格の半額程度で生産できる見通し。「後は運搬費と人件費をいかに抑えられるか。11年度中にコストを見定め、ぜひ事業化していきたい」と話している。廃棄物同士からシリコンが作製できるとは画期的ですね。是非事業化して生産して欲しいですね。
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