単細胞の藻類「ケイソウ」の模様が、オウムガイの殻などに見られる「対数らせん」構造になっていることを、元エンジニアの有田さんと草津市の県立琵琶湖博物館学芸員が発見した。模様が数学的に説明できることを証明したもので、同博物館では「生物学や数学といった分野をまたぐ珍しい着眼点から生まれた成果。面白く意義深い」としている。12日発売の数学専門誌に発表した。
有田さんは、同博物館学芸員と共同で研究を行う市民グループ「はしかけ・たんさいぼうの会」会長。ケイソウの顕微鏡写真を見て「美しい構造には理由があるはず」と考え、丸いケイソウ「コアミケイソウ」の一種を、同博物館の大塚、戸田両学芸員と協力して5月から調べてきた。
コアミケイソウは世界中の海に分布。外殻部分に「胞紋」という六角形に近い微細な穴があり、幾何学的な模様を作っている。胞紋の並びを計算した結果、殻の縁との角度が常に60度で、数学的なパターンに従う独自の対数らせん状になっていることを突き止めた。
有田さんは「エンジニアとして図面を見ていた経験からひらめいた。今後も、なぜ美しい形になるのかを別のケイソウでも追い求めていきたい」と話している。美しさの中にはまだまだ秘められた数学的なパターンが隠されているかもしれませんから是非範囲を広げて観察して欲しいですね。
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