2010年11月28日日曜日

衝撃緩衝装置

自転車製造が伝統産業の堺市で、長時間乗ってもお尻が痛くならない自転車のサドルを同市中区の無職大浦昇次郎さん(74)が発明した。
バネの取り付け位置を縦から横にするなど工夫をこらし、走行中の衝撃を和らげた。「乗り心地が良く、高齢者や自転車によく乗る人に最適」と大浦さん。何度も申請して念願の特許も取得し、実用化を夢見ている。
大浦さんは2006年夏、自転車で買い物に行った際、10分もするとお尻に痛みを感じたことから、「サドルを改良すれば……」と思案。以前、工事現場でレッカー車のオペレーターとして働いていた頃、ワイヤ同士がからみ合わないような仕組みを考えたことがあり、“発明好き”の虫が騒ぎ出した。ホームセンターで木材やバネを買い、模型を作ってアイデアを巡らせた。
サドルには通常、垂直方向にらせん状のバネが二つ付いている。「地面から伝わる振動がお尻を押し上げるように伝わるのが痛みの原因では」と考え、バネを横向きに取りつけることを考案。軸を途中で切り離し、鉄製のアームを組み合わせてバネとサドルを結ぶ形を考えついた。「衝撃緩衝装置」と名付け、特許庁に説明文と設計図を付けて数回申請、今年3月にようやく特許を取得した。その後の半年間は寝る間を惜しんで製図を数百枚重ね、試作品作りに励んだ。
だが、出来上がっても実際に座るとバネが体重に負けて押しつぶされた。バネを4本に増やしても駄目で、業者に市販の2倍の太さ(4ミリ)のバネ(長さ約9センチ、幅約2センチ)を作ってもらい、それを左右に2本取り付けてみた。すると、衝撃に合わせてバネが適度に変化し、クッションのような効果を発揮してショックを拡散させることに成功したという。
大浦さんは「この装置は電動自転車やベビーカー、車いす、けが人を寝かせたまま搬送するストレッチャーなどに幅広く応用できるはず」と期待。自転車などの部品メーカーに実用化を働きかけている。12月7日にはマイドームおおさか(大阪市中央区)で開かれる「知財ビジネスマッチングフェア2010」に出展する。確かに長時間、自転車に乗っているとお尻が痛くなりますから具体的に実用化されると良いですね。

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