2010年4月15日木曜日

媛(ひめ)まぐろ

鮮魚流通のダイニチ(愛媛県宇和島市)は人工ふ化させた稚魚による完全養殖クロマグロの出荷を今年11月に始める。まず来春までに首都圏などへ1000匹出荷。2012年に年間5000匹の出荷体制を整える。完全養殖は稚魚を海から捕獲しない環境に配慮した養殖でクロマグロの世界的な漁獲規制が強まる中、需要が見込めると判断した。
ダイニチは戸島漁業協同組合(宇和島市)と共同でクロマグロの養殖事業を展開。宇和島市沖合にある嘉島(かしま)沿岸に6カ所の養殖場を持つ。完全養殖は07年から取り組んだ試験でノウハウを習得した。
「媛(ひめ)まぐろ」のブランドで出荷する。人工の稚魚が成長して産卵する完全養殖サイクルを確立した近畿大学水産研究所から導入した稚魚を育てるのが特徴で生後3年目の体重30~40キログラム程度で出荷する。
今後の出荷拡大を見据え、年内にマグロ用のいけすを3つ新設するほか、近大水産研から5000匹の稚魚を新たに買い入れる計画。9つのいけすで常時、1万5000匹を養殖する体制を確立する。
11~12年は年間2000匹、12年以降は5000匹の出荷が可能になるという。
四国4県のほか首都圏、大阪、名古屋の高級すし店、和食店、ホテル・旅館を開拓するほか、中国やタイなど東アジアの日本食レストランへの輸出も視野に入れている。4~5年後に完全養殖クロマグロで年間5億円の売上高を目指す。
同社のマグロ養殖は最大で直径40メートル、深さ25メートルの大規模ないけすで育てるのが特徴。これによりマグロが網にぶつかる頻度を下げる。試験養殖ではエサを与える頻度を従来の1日1回から2回に増やし、体重増加などに取り組んだ。今後は近大水産研や日清丸紅飼料と協力、クロマグロの栄養要求に見合った配合飼料開発に取り組みたいとしている。獲る漁業から育てて獲る漁業への大転換ですね。海洋資源は人類にとっても貴重な食糧源になっていくでしょうから育てて獲る方式が今後一般的になっていくのかもしれませんね。日本近海に大養殖場を作っていったらどうなんでしょうかね。

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