長崎県・五島列島で今月から、レンタカーなどとして電気自動車(EV)約100台を走らせる取り組みが始まった。
地元に残るキリスト教会群の世界遺産登録を目指すなか、環境に配慮した観光業をアピールするため。これほど多くのEVを特定の地域に導入する試みは全国的にも珍しい。観光情報などを受信できる「高度交通システム」(ITS)も備え、関係者らは「環境保全の島をPRしつつ、観光の活性化にもつながれば」と効果に期待している。
実施主体は五島市と新上五島町、地元の観光業者らで作る協議会。74台のEVをレンタカーに導入したほか、公用車や介護タクシーとしても利用している。1回の充電で最長約140キロ走行でき、専用の急速充電施設では、バッテリーの80%が約30分で充電できるという。
ITSは県や自動車メーカーなど産官学のチームが開発し、周辺の飲食店や観光地の情報を端末画面で提供している。今年度中には更に幅広い情報を集積した情報センターを設置し、ITSを通じて24時間態勢で最新の情報を取り寄せられるようになる。
県によると、レンタカーは11日までに五島市で24回、新上五島町で59回利用された。営業の仕事で使ったという五島市の会社員吉田さんは「エンジン音が静かで、乗り心地もよかった」と満足そう。7台を導入した同市のレンタカー業江浜さんも「運転しやすく加速もよいなど利用者の反応は上々」と話す。
ただ、EVは上り坂が多かったり、エアコンを作動させたりすると走行距離が短くなる。協議会によると、急速充電施設は両市町に1か所ずつだけで、バッテリーが切れて走れなくなるケースも。家庭用電源だと充電に14時間かかる。6月末までに同施設を6か所増やす予定だが、「1回の充電でもっと長く走れるようにして」との声も上がっている。
旧五輪教会(五島市)や青砂ヶ浦天主堂(新上五島町)を含む「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は、世界遺産の国内候補として暫定リスト入りしている。同協議会は「二酸化炭素を排出しないEVの力でエコと教会の島をPRしていきたい」としている。EV利用による環境保全の試みが地域の活性化につながっていくといいですね。そして世界遺産への登録が出来ればもっと活性化していく可能性がありますね。
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