2010年4月19日月曜日

クリアボックス

せっかく撮った写真やビデオが逆光や暗闇で見えにくい。そんな悩みを1本のケーブルで手軽に解決できる技術を県内の中小企業と立命館大が共同開発した。世界同時不況をきっかけに、新業種の開拓を狙った産学連携の成果だ。防犯カメラや車に搭載するカメラへの応用など事業化に向けた期待から、専門家の評価も高い。
霧にかすむ町並み。開発された今回の技術を使うと、映した画像の町並みは霧が晴れたようにくっきりと見える。
使用法は、たばこの箱程度の大きさの「クリアボックス」をカメラとモニターの間にケーブルでつなぐだけ。暗闇や濃霧で見えづらい画像を鮮明にでき、動画も静止画も問わない。現在の防犯カメラや車のリアモニターなどにつなぐこともでき、価格は数万円以内。手軽でローコストなのが魅力だ。
技術の核心はボックス内に組み込まれた半導体。立命館大の山内寛紀教授(電子情報工学)が防犯カメラの画像解析などの技術を生かし、画像を1画素単位で補正するアルゴリズムを考案した。連携していた半導体開発会社「日本ロジックス」(大津市)は昨年6月から実用化に取り組み、小型の半導体チップに組み込むことに成功した。
半導体業界は、世界同時不況によって売り上げが激減するなど厳しい状況にある。千村盛幸社長は、霧や逆光など、悪条件下の画像を手軽に処理する技術について、「大企業には小さいが中小企業にとっては十分なマーケット」と話す。高齢者ドライバーの増加や防犯意識の高まりから、画像鮮明化のニーズは「今後増えることはあっても減ることはない」と期待。ビジネスモデルとしての評価も高く、有識者らからなる県の「事業可能性評価委員会」では、最も評価が高い「Aランク」の2事業の一つに選ばれた。
今年度後半から事業を本格化させ、2013年度には売り上げ10億円の目標を掲げる。
山内教授は「大学は、開発することができても、社会が求める製品の質は実現できない。企業のノウハウは研究結果の事業化に不可欠だ」と連携の意義を話した。いいですね!大学の研究開発の発想とそれを市場に合う形で実用化する企業が協力してこその成果のような気がしますね。全国で産学協同事業をもっと進めて日本を元気にして欲しいですね。

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