奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の高山誠司教授らの研究グループは、細胞内には優性と劣性の遺伝子がペアで含まれ、優性遺伝子の性質のみが次代に現れるメンデルの「優性の法則」について、優性遺伝子に劣性遺伝子を抑える機構が存在することを発見し、19日付の英科学誌「ネイチャー」に発表した。高山教授らは平成18年に劣性遺伝子が化学反応で働けないようにされていることを突き止めていたが、今回の発見で、劣性遺伝子が抑制される詳細なメカニズムが解明された。
両親から1組ずつの遺伝子を受け継ぐ子に、片方の性質のみが現れることはメンデルがエンドウマメの交配実験で発見した優性の法則で証明されたが、詳細なメカニズムについては未解明の点が多かった。
今回、高山教授らはアブラナ科植物の葯(やく)を解析し、その結果、優性遺伝子に隣接する別の遺伝子で作られる24塩基の低分子RNAと呼ばれる物質の作用で、劣性遺伝子が「メチル化」という化学反応を起こし、働きを抑えこまれていることがわかったという。
高山教授は「今回解明できたメカニズムを利用すれば、有用な遺伝形質のみを人為的に発現させることも可能になる。植物の品種改良にも貢献できるのでは」と話している。遺伝子操作が含まれますから植物の改良程度に抑えて欲しい思いもありますね。
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