2010年8月2日月曜日

ブラジルにも新幹線を!!

世界の高速鉄道建設プロジェクトの中でも有数の大型案件となるブラジル高速鉄道の事業者が、入札を通じて12月に決定する。ブラジルといえば、地上波デジタルテレビ放送(地デジ)の導入で日本がいち早く売り込みに成功、その後の南米進出の糸口となった国でもある。環境問題の高まりから今後世界各地で活発化するとみられる高速鉄道の分野で、日本がもう一度「官民一体」で存在感を示せるか、注目される。
入札は7月13日に公示された。日本の三井物産、三菱重工業、東芝、日立製作所の企業連合が落札を狙うほか、フランス、スペイン、中国、韓国などが入札に参加する見通しとなっている。
日本の強みは、いうまでもなく世界に誇る日本の新幹線の技術力。速度、運行の正確さ、これまで死者を1人も出していない安全性など、どれをとっても負けていないが、実は今回ブラジル政府が発表した入札方式では、その優位を生かし切れない可能性がある。
入札は想定運賃が安い方が勝つという非常にシンプルな方式で争われる。技術評価は、入札への参加を認めた段階ですでにハードルをクリアしたとみなされるという。同一価格が提示されれば日本の優位は変わらないものの、コスト競争になれば、日本など各国の技術を寄せ集めて開発したとされる中国など後発組の優位が大きくなる。こうした入札方式が採用されたことについて、現地関係者は「もともとコスト面などで高速鉄道計画そのものに対する批判が国民の間で根強く、政府側もわかりやすい方式を採用せざるをえなかったのではないか」と分析。「日本にとっては技術の優位をどこまで生かせるか、難しい勝負となる」とみる。
日本は地デジ日本方式を官民一体で売り込みをかけた際、現地事情に合わせた「日伯方式」を合同開発し、その後の南米各国への進出につなげた経緯がある。今回も「計画が浮上した約2年前から官民一体で現地で説明会開催などを行い、日本の技術採用に向けての下地作りを進めてきた」(関係者)という。
当初欧州方式の優位が常識だった地デジ売り込みで、日本がブラジルへの食い込みをきっかけに軒並み南米を席巻したように、地域大国であるブラジルでの勝利は、南米全体への波及効果が見込まれる。それだけに、中国はこのほどブラジルの隣国アルゼンチンとの間で鉄道近代化や技術供与などでの協力で合意するなど、各国は売り込みに躍起となっている。
競争は熾烈(しれつ)を極めているが、一方約150万人の日系人社会の存在などの点で、日本はブラジルで特別の強みを持つ。関係者は「ブラジルに新幹線を走らせたいという日系人の思いは熱い。なんとか入札に勝利し、日系人と感激を分かち合いたい」と話している。是非頑張ってブラジルにも新幹線を走らせて欲しいですね。

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