2010年8月10日火曜日

廃水に含まれる油脂を分解浄化する微生物

福島大(福島市)は、飲食店などの廃水に含まれる油脂を分解し、浄化する微生物を発見、培養に成功したと発表した。これまで国内外で見つかった同様の微生物で最高の能力を持つといい、近く特許を出願し、実用化を目指す。
共生システム理工学類の杉森大助准教授(生物工学)の研究室が発見した。2年間にわたり、土壌や植物の葉など数百のサンプルを収集・分析し、県内の公園の土から油脂を栄養源にして生きる珍しい微生物を見つけた。0・3グラムの油脂を含む水100ミリリットルに対し、微生物の培養液1ミリリットルを入れると、24時間で60%を分解する。植物性と動物性の両方の分解が可能という。
飲食店や食品加工場などの廃水は通常、タンクなどに集めて浮いた油脂を取り除き、河川に流される。集めた油脂は産廃として焼却される。この方法では完全に油脂を除去することが難しいうえ、二酸化炭素も排出される。発見した微生物をタンクにすまわせれば、人手を使わないでほぼ完全に取り除け、油のにおいも消えるという。
杉森准教授は「非常に能力が高い微生物で、水環境の改善に向け幅広い利用が期待できる。まだ誰もやっていない研究」と話している。環境の保全のためにも是非早く実用化して欲しいですね。

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