2010年8月7日土曜日

細胞死を引き起こす原因を解明

人体のさまざまな組織や細胞に成長する能力を持つヒトのES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)の塊を一つずつバラバラにして分散培養すると、高い確率で細胞死を引き起こす原因を理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームが解明した。細胞移植治療の安全性向上に役立つという。日本時間7日付の米科学誌セル・ステム・セルに論文を発表した。
チームは平成19年、ヒトES細胞やiPS細胞に限り、分散培養を行うと99%の確率で細胞死を起こすという問題を発見。「Rhoキナーゼ」という酵素の活性化により細胞死が起こることから、この酵素の働きを阻害する薬剤を使い、細胞死を抑えることに成功したが、詳しい原因はわかっていなかった。
チームは詳細な観察を行い、分散培養の開始直後から、細胞が表面を泡立たせる激しい細胞運動を起こし、破裂して死に至る特有の現象「死の舞」を突き止めた。細胞分散と同時に細胞死を促す信号が発信されることで、細胞の骨格タンパク質「ミオシン」が過剰に活性化されることが引き金になっていた。
また、長期培養を続けると、ごくまれに死の舞を行わず、細胞死しないヒトES細胞が発生することがあることも発見。その細胞を移植すると高確率で腫瘍化することも分かった。
チームの笹井芳樹ディレクターは「死の舞を起こさない細胞を除けば腫瘍化を防ぐことができ、細胞移植治療の安全性向上につながる」と期待を寄せた。より研究を進めて再生医療の実現に具体的につながっていくと良いですね。

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