脳の病気の治療薬開発に役立つ実験用マウスの測定装置を、富山大学の神経情報工学研究室が開発、特許申請し、来月に同大で紹介する。目の動きの変化を見ることで、投与した治療薬の効き目を判断する。マウスの目は直径わずか2ミリ程度のため、工場の製品の小さな傷を発見できる品質管理ソフトを応用した。今秋の商品化を目指しているという。
同研究室は、神経細胞間のつなぎ目であるシナプスを研究している。今回の開発は、田端俊英准教授(神経生理学)と理工学教育部修士課程2年の白井さんが2008年11月から1年がかりで進めた。昨年12月に特許申請した。
応用したソフトは、品質管理システム「マシンビジョン」。大規模工場のベルトコンベヤーを流れる大量の製品の中から、わずかな傷をカメラ監視でとらえる機能がある。
また、マウスの目の動きを誘発するため、直径約30センチの円筒の内側を白と黒の縦じまで塗り分けた機器も作った。マウスを内側に置き、ゆっくり左右に回転させることで眼球を動かす仕組みだ。マウスが中で身動きしないよう、柔らかな素材で覆った金具で腹やあごなどを押さえる台も備えた。
9月3日に富山大五福キャンパス(富山市)で開かれる地域連携イベント「コラボフェスタ2010」で紹介される。田端准教授は「県内には精密機械産業もある。製薬産業と連携し、医療機器に取り組むきっかけにもしてほしい」と呼びかけている。産学協同で商品化が具体的に進むと良いですね。
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