横浜で6月30日から7月2日にかけて開催された「第5回新エネルギー世界展示会」で、日本の風力発電量を急増させるかもしれない新技術が発表された。
同展示会では、目を見張るような風力タービン技術がいくつか披露された。中でも「風レンズ」と呼ばれる技術は、海上タービンを使って従来の最大3倍程度の電力を得られる可能性があるとの実験結果が出ている。
風レンズは直径112メートルの輪を用いた構造で、ちょうど虫眼鏡が太陽光線を集めるように、中心部に風力を集中させる仕組みになっている。風レンズは、海上に浮かべられた六角形の土台に設置される。
九州大学の大屋裕二教授は、この設備により発電量を「2〜3倍」にできるうえに、風力タービンにつきものの騒音が排除でき、安全性も高まると説明した。
火山の多い日本では、これまで再生エネルギーの生産は地熱発電が中心で、現在、18のプラントで国内発電量の0.2%分が地熱発電から得られている。
世界風力発電協会によると、現在、風力発電は世界の発電電力の2%を占めている。こうした状況のなか、風レンズの潜在的可能性は大きいと考えられる。その独特の容貌が、景観を損ねるとして風力タービンに否定的だった人々を引き付けるかもしれない。
だが、大屋教授は「この技術にはメリットもあるが、仮に日本市場に参入できても、風の強さや方向といった条件が異なる外国で採用されるのは容易ではないだろう」と語っている。世界基準の「風レンズ」を作って下さい。
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