富士通研究所と名古屋大学は2日、食中毒の原因となる食品中の毒素を高速検出できる装置を試作したと発表した。従来法に比べて検査時間を100分の1程度に短縮できるという。食品検査会社など向けに数年内の実用化を目指す。
試作した装置は毒素のたんぱく質とくっつく分子(人工抗体)を張り付けた金属チップを内蔵する。目的の毒素があるとそれまで光っていた人工抗体が暗くなって検出できる仕組み。
下痢や腹痛などの食中毒を起こす黄色ブドウ球菌が出す毒素エンテロトキシンの検出を試したところ、わずかな量の毒素でも10分程度で検出できた。現在の検査法は、動物の体内で作った抗体を使うなどするため、事前に特別な処理が必要で検出までに半日~24時間かかったという。
人工抗体は人の遺伝情報を作るDNA(デオキシリボ核酸)と同じ2重らせん構造をとるように合成。目的の毒素たんぱく質に結合しやすいようにアミノ酸をくっつけた。人工抗体の長さは約20ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、半導体の微細加工技術を使って金属チップに付けた。早く実用化されると良いですね。
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