2010年8月25日水曜日

米ぬかを原材料にしたユニークなごみ袋

米ぬかを原材料にしたユニークなごみ袋を京都府京丹後市のプラスチックメーカーなどが開発し、「環境にやさしい」と注目を集めている。費用は通常のポリ袋より割高だが、抗菌性が高いとされ、自治体が指定ごみ袋として導入したほか、最近では買い物袋への利用も広がっている。
「米ぬか入り」袋は、従来の原材料であるプラスチックのほかに、米ぬかが20%含まれ、せんべいのような芳ばしい香りとざらりとした手触りが特徴。
開発したのは、京丹後市のバイオプラスチックメーカー「白石バイオマス」。昨年5月に京都市内の酒造メーカーと協力し、家畜の飼料となる酒米を精米して出た米ぬかに着目した。
白石バイオマスによると、米ぬか入り袋は通常のごみ袋とほぼ同じ強度を保っている上、米ぬかに含まれているフェルラ酸の効用で抗菌性に優れているという。同社の山岡経助社長は「米ぬかを使うことで石油資源が節約できるなど、少しでも環境問題に寄与できるのでは」と意気込む。
地元・京丹後市では、米ぬか入り袋を昨年10月から「不燃ごみ収集袋」として導入。通常のポリ袋より3倍近くコストがかかるものの、不燃ごみは燃やさず袋ごと埋めるため、市は「原材料に米ぬかを混ぜている分だけ、少しでも土に返りやすいのではないか」と指摘する。
京都府宮津市の「丹後の鮮魚屋 天橋立やまいち」では、今年7月から買い物袋として使用。干し魚を通常のポリ袋に入れて保存したときよりも、米ぬか入り袋に入れたときのほうが日持ちするという。川村照美店長は「魚屋なら環境のことを考えるのは当然。お客さんからの評判もいい」と話している。循環型の継続的社会を作っていく上にでも環境に優しいというコンセプトは重要ですね。

実験用マウスの測定装置

脳の病気の治療薬開発に役立つ実験用マウスの測定装置を、富山大学の神経情報工学研究室が開発、特許申請し、来月に同大で紹介する。目の動きの変化を見ることで、投与した治療薬の効き目を判断する。マウスの目は直径わずか2ミリ程度のため、工場の製品の小さな傷を発見できる品質管理ソフトを応用した。今秋の商品化を目指しているという。
同研究室は、神経細胞間のつなぎ目であるシナプスを研究している。今回の開発は、田端俊英准教授(神経生理学)と理工学教育部修士課程2年の白井さんが2008年11月から1年がかりで進めた。昨年12月に特許申請した。
応用したソフトは、品質管理システム「マシンビジョン」。大規模工場のベルトコンベヤーを流れる大量の製品の中から、わずかな傷をカメラ監視でとらえる機能がある。
また、マウスの目の動きを誘発するため、直径約30センチの円筒の内側を白と黒の縦じまで塗り分けた機器も作った。マウスを内側に置き、ゆっくり左右に回転させることで眼球を動かす仕組みだ。マウスが中で身動きしないよう、柔らかな素材で覆った金具で腹やあごなどを押さえる台も備えた。
9月3日に富山大五福キャンパス(富山市)で開かれる地域連携イベント「コラボフェスタ2010」で紹介される。田端准教授は「県内には精密機械産業もある。製薬産業と連携し、医療機器に取り組むきっかけにもしてほしい」と呼びかけている。産学協同で商品化が具体的に進むと良いですね。

2010年8月24日火曜日

沖縄県と米ハワイ州の新エネルギー共同研究

今年6月に日米両政府が調印した、沖縄県と米ハワイ州の新エネルギー共同研究が動き始めた。23日から両国政府関係者と専門家らでつくる研究チームの沖縄視察がスタート。27日まで県内企業や研究機関を訪問し、再生可能エネルギーの活用や効率的な送電システムなどについて意見交換する。28日から9月4日までハワイを視察し、具体的な共同研究に向けた提言をまとめる方針だ。
視察団は日本側から経済産業省など政府関係者と沖縄県、久米島町の職員らが参加。米政府エネルギー省とハワイ州職員のほか両国の研究者も加わり、総勢30人。
23 日は、県庁で県職員が沖縄のエネルギー事情を解説。県経済界の共同出資会社で、電気自動車の充電設備網の整備に取り組むエー・イー・シーが計画の概要を説明した。沖縄電力では太陽光などの再生可能エネルギーの導入や、IT(情報技術)を使って効率的に電力を供給する次世代送電網「スマートグリッド」について意見交換した。
24日以降は糸満市役所の太陽光発電設備や、宮古島市にあるバイオエタノール製造プラントを視察。恩納村で整備が進む「沖縄科学技術大学院大学」も訪問し、研究者らと意見交換する。
島しょ地域の沖縄とハワイは、原子力発電所などの大規模なエネルギー供給施設の建設が難しく、化石燃料による発電への依存度が高い。このため両地域は、それぞれ太陽光や風力など再生可能エネルギーの研究を進めていた。
昨年、両国の政権交代を機に両地域での共同研究計画が浮上。昨年11月に就任後初来日した米国のオバマ大統領が鳩山由紀夫首相(当時)との首脳会談で両地域での新エネルギー共同研究に合意。今年6月に日米両政府と沖縄県、ハワイ州の4者が覚書に調印していた。
基地の島・沖縄から再生可能エネルギー開発の島へと大きく変貌していって欲しいですね。今沖縄に大きな運勢が来ているように感じますね。

体毛から体内時刻測定

佐賀大学医学部の野出(ので)孝一教授=循環器内科=らの研究グループが、ヒトの体内時計の新たな測定法を発見した。体毛から特定物質を抽出して活性の度合いを調べる手法で、血液や口内の粘膜から測定する従来の方法より、簡単で精度が高いのが特徴。睡眠障害や循環器病など、体内時計の乱れが根底にあるとされる疾病の治療・予防方法の開発や、生活リズムと生理機能との関係を解明する研究に役立つ。24日の米国科学アカデミー紀要で発表する。
体内時計は、生物が進化の過程で獲得した機能で太陽の24時間周期に適応する。ヒトの場合、「時計遺伝子」が全身の細胞にあり、脳の特定部位がそれらをつかさどって血圧や心拍数、睡眠などの生理機能を制御しているとされる。
野出教授と山口大時間学研究所の明石真教授、ソニー先端マテリアル研究所でつくるグループは、体毛を凍結処理すれば、遺伝子関連情報が損なわれないことに着目した。頭髪やひげの毛根細胞を処理して、時計遺伝子がタンパク質をつくる際の中間物質「メッセンジャーRNA」を抽出。その量や活性の度合いを解析して「体内時刻」を測定することに成功した。
佐賀県の20~30代の成人男女4人を対象に体毛5本を4時間おきに抜いて調べたところ、早起きの人は活性のピークが早く訪れた。このうちの一人が4時間の早起きを3週間続けたら、ピークは約3時間早まり、体が生活習慣に対応している様子がうかがえた。
1週間ごとに昼夜勤務が交代する県内の製造関連工場でも調査。昼夜勤務は稼働開始時刻が9時間違うが、体内時計は2時間ほどしか変わらず、調節がほとんど効かない慢性的な時差ぼけ状態になっていた。
体内時計の乱れは、睡眠障害や精神疾患、循環器病など広範に関係しているといわれている。朝方に頻発する心筋梗塞(こうそく)や夜中のぜんそくなども時計遺伝子の異常が疑われており、野出教授は「測定法を早期に実用化し、個人の体内時刻に合わせた効果的な投薬で抑えたり、時計遺伝子そのものを標的にした治療ができるようになれば」と話す。
測定法は時差ぼけの研究にも貢献でき、スポーツ分野でも「選手の効果的な海外派遣のタイミングや体調管理に役立つ」とみている。
今後は、採取する体毛の本数や回数を減らして分析する方法の確立や、医療現場に普及させる測定機器の開発を目指す。 体毛から体内時刻が測れるなんて考えられない事ですね。医学は考えられないスピードで様々なものを解き明かしつつあるといった感じですね。様々な分野に応用も可能なようですから測定法をより簡便な方向に進めて欲しいですね。

におい物質を感知するロボットの開発

東京大学生産技術研究所などの研究チームは23日、におい物質を感知する細胞をセンサーとして搭載したロボットの開発に世界で初めて成功したと発表した。介護ロボットなどに応用が期待できるという。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
従来の嗅覚(きゅうかく)センサーでは生物細胞を使った例はなく、感度の悪さや目的のにおい以外にも反応するなどの問題があった。
研究チームは、昆虫がにおいを感知する原理に注目。昆虫の細胞は、においの刺激に対し電気信号を発生させるため、信号の計測によって、におい物質の感知を試みた。
研究チームは、ガの触覚にある性フェロモン受容体のDNAをカエルの卵細胞に注入。数日後、におい物質を感知するたんぱく質を卵細胞内に発生させることに成功した。
この卵細胞を電極につなぎ、ロボットに搭載。鼻の上の穴にガの性フェロモンなど4種類の液体状のにおい物質を入れると、ロボットは目的のにおい物質を入れた時だけ首を動かし反応を示した。逆に電気信号で香りを送れる時代がくるかもしれませんね。茶の間で様々な香りを感じれる時がきそうですね。

立体(3D)映像を裸眼で見られるテレビ

東芝は23日、立体(3D)映像を裸眼で見られるテレビを世界で初めて年内に発売する方針を明らかにした。
これまで電機各社が発売した3Dテレビはいずれも専用のメガネが必要だったが、東芝が裸眼3Dテレビを投入することで、市場が活性化しそうだ。
発売するのは、画面サイズ21型を中心に3タイプ。年末商戦に向け、準備を進めており、価格は数十万円になるとみられる。
これまでの3Dテレビは、左目用と右目用の二つの映像を高速で連続して表示することで、見る人の脳内で立体的な映像を再現させていた。専用のメガネを使って、右目用の映像が映る時は左目が見えず、左目用が映る時は右目が見えなくなり、物の奥行きを感じる仕組みだ。
東芝が開発した「インテグラルイメージング方式(光線再生方式)」は、角度が異なる多数の光を出すことで、専用のメガネがなくても、脳内で立体的な映像を再現することができるようにした。見る人が位置を変えても立体的な映像を楽しめ、画像も自然で目が疲れにくいという。
精細度が低くなったり、動きが激しい映像を再現しにくくなったりする裸眼3D映像の弱点を克服するため、高精細なパネルを使用する。3D対応の映像なら、ハイビジョン映像を含め、すべて再生できる。
3Dテレビはパナソニックが今春から発売を始め、国内電機各社が次々と投入している。電機各社は今年を「3Dテレビ元年」と位置づけ、新たな主力商品として期待していたが、専用のメガネが必要となることなどから、売れ行きは伸び悩んでいた。調査会社GfKジャパンによると、8月9〜15日の全薄型テレビの販売額に占めるシェア(占有率)は2・3%にとどまる。
東芝が開発した「インテグラルイメージング方式(光線再生方式)」が3Dテレビの起爆剤になり世界の標準化のモデルになると良いですね。

2010年8月23日月曜日

今季5勝目

米女子ゴルフのセーフウェー・クラシックは22日、米オレゴン州ノースプレーンズのパンプキンリッジGC(パー72)で最終ラウンドが行われ、2位に3打差の首位でスタートした宮里藍は、2バーディー、2ボギーのイーブンパーで回り、通算11アンダーで今季5勝目を挙げた。
米ツアーの年間5勝は1987年に岡本綾子がマークした4勝を上回り、日本人単独最多。賞金ランキングではトップに再浮上し、岡本以来の賞金女王に前進。世界ランキングでも1位に復帰する見通しとなった。
クリスティー・カー(米)と、崔羅蓮(韓国)が2打差の2位。上田桃子は2アンダーの23位で、宮里美香は3オーバーで55位。
宮里は前半、ショット、パットとも前日までの精度を欠き、2番、7番でボギー。9番で4メートルのパットを沈めこの日初のバーディーを奪うと、10番もバンカーから2メートルに寄せて連続バーディー。その後の8ホールをパーでしのいだ。おめでとうございます。記録ももっと伸ばして欲しいですね。

2010年8月22日日曜日

悪性のがん細胞が消滅!

がんを攻撃する細胞だけでなく、その細胞に攻撃の指示を出す細胞の働きも活発にすることでがんに対抗する治療法を開発したと、北海道大や東京慈恵会医大、近畿大、産業医大などの研究グループが17日、発表した。悪性の乳がん患者のがん細胞が消えるなどの効果を確認したという。
がん細胞の表面の分子(ペプチド)をワクチンとして患者に注射することで、がん細胞を攻撃する役割の細胞に敵を見分ける力を持たせ、攻撃させる治療法を用いた。がんを攻撃するキラーT細胞の働きを活発にする方法は以前からあるが、グループは新たに、キラーT細胞に指示を出すヘルパーT細胞も活性化させるペプチドを、40個のアミノ酸を結合させて開発した。
6人に投与したところ、抗がん剤や放射線治療の効果がなかった乳がんの女性患者は、約2カ月後にコンピューター断層撮影(CT)の画像でがん細胞が完全に消えた。大腸がんの男性患者は転移していた肺のがん細胞の成長が止まった。ほかの2人も免疫力が上昇。重い副作用は見られなかったという。
北大の西村孝司教授は「より効果的なアミノ酸の組み合わせをさらに研究すれば、十分な抗がん効果が期待できるかもしれない」と話した。神戸市で22日に始まる国際免疫学会議のシンポジウムで研究成果を発表する。ガン患者にとっては朗報ですね。より研究を進めてより効果的にガン細胞を攻撃するアミノ酸の組み合わせを解明して欲しいですね。ガンも怖くない時代が目の前にきているのかもしれませんね。

2010年8月21日土曜日

フェーマルンベルト海峡単独横断遠泳に成功!

ドイツとデンマークを隔てるフェーマルンベルト海峡(25キロ)の単独横断遠泳に、東京都足立区のJA職員、黒川保隆さん(40)が成功し、20日に帰国した。
現地主催者によると、同海峡の単独横断遠泳は1939年以降、8人が成功しているが、日本人は初めてという。
フェーマルンベルト海峡は、ドイツのフェーマルン島とデンマークのロラン島の間にあり、北海とバルト海を結んでいる。日本付近ではサハリン北部とほぼ同じ高緯度で、黒川さんによると、海水温は真冬の伊豆の海より低いという。
黒川さんは、今月16日午前8時にドイツ側からスタート。ボートに乗った審判3人と知人が付き添った。前半は風もなく、水面も穏やかで快調に飛ばした。だが、低い海水温に徐々に体温を奪われ、終盤はほとんど足が動かなくなったが、必死に腕を動かし、同日夕、デンマーク側に到着。記録は6時間24分だった。
黒川さんは3歳で水泳を始め、高校時代は茨城県の海岸でおぼれる人を救助したこともあった。就職後、32歳で参加した東京・新島での遠泳大会以降、国内各地の遠泳大会に参加。海外では、ボスポラス海峡(トルコ)の横断遠泳にも成功している。
今回は、海水温の低いフェーマルンベルト海峡横断に備え、昨年11月から週3、4日プールに通うなど準備を進め、浮力を増すために、体重も7キロ増やしたという。
20日に成田空港に帰国した黒川さんは「とても寒く、生きて帰れて良かった。限界を何回も超えた気がする。支えてくれた方々に感謝したい」と話した。
8人の中に日本人が入ったということは凄いことではないでしょうかね。多くの方々の支えの中で達成された偉業ですね。次なるステップに向かって進んでいくんでしょうかね?

夏の大会初制覇そして春夏連覇

第92回全国高校野球選手権大会は21日、兵庫県西宮市の甲子園球場で満員となる4万7千人の大観衆を集めて決勝を行い、今春の選抜大会を制した興南(沖縄)が13—1で東海大相模(神奈川)に勝って初優勝し、春夏連覇を達成した。
沖縄県勢としても夏の大会初制覇。春夏連覇は1998年に松坂大輔投手(現レッドソックス)を擁した横浜(神奈川)以来史上6校目。
興南は四回に打者11人の猛攻で7点を先行。以降も打線が活発で計19安打で13点を奪った。島袋洋奨投手も1失点で完投した。
東海大相模は40年ぶり2度目の優勝は果たせなかった。
野球の神様が微笑んで流れが一気に興南に行った感じでしたが内容のある良い試合でしたね。準々・準決勝と先制を許しながらも逆転で勝利を掴んだ底力には感服しましたね。良いチームを作ってきたという感じですね。本当におめでとうございます。これによってますます高校野球のレベルが向上していく感じですね。

2010年8月20日金曜日

NINJA—10・SAKURA

フランスで21〜29日に開催される自作ロケットの打ち上げ競技会に、北九州市の九州工業大大学院工学府の学生8人を中心とする「九工大宇宙クラブ」(代表・米本浩一教授)が出場する。
5年連続の挑戦で昨年に続く受賞を目指しており、18日には使用するロケット2基を公開した。
競技会はフランスの国立宇宙研究センターと惑星科学協会の主催で、約半世紀の歴史がある。出場チームは、独自に設定した課題を実行することにより技術力を競う。今年はボルドー市近くのフランス軍ミサイル実験センターで開かれ、各国から約20チームが参加するという。
クラブのロケットは「NINJA—10(忍者10)」(全長約1・77メートル、重量約13キロ)と、「SAKURA(桜)」(全長1・68メートル、重量約7キロ)。いずれも強化プラスチック製で火薬を燃料としている。
忍者10は上空800メートル地点で内蔵パラグライダーを開き、コンピューター制御に従って指定地点に着陸する。過去4回の競技会ではいずれも失敗しているが、昨年は技術賞を受けており、今年は制御方法に改良を加えて成功を目指す。
桜は音速(秒速340メートル以上)を超えるスピード達成を目的にした新型ロケット。発射の2・5秒後に音速を超え、地上3000メートルまで上昇するという。
チームリーダーの大学院1年福田さんは「みんなで入念に製作し、実験も重ねてきた。本番では2基とも課題をクリアし、日本の学生の技術力を示したい」と意気込んでいる。是非頑張って技術力の高さを世界に示して欲しいですね。

国内最古の機械式卓上計算機

森鴎外と親交があった明治期の発明家・矢頭良一の親族、梅田利行さん=千葉県市原市=が18日、矢頭が発明した国内最古の機械式卓上計算機や鴎外直筆の書などを、鴎外が軍医時代に住んでいた北九州市に寄贈した。
市役所を訪れた梅田さんは「鴎外の旧居がある北九州は鴎外と切っても切れない町。寄贈するのに一番良いと思った。寄贈品は、ぜひ若い人に見てもらいたい」と話した。
市によると、矢頭良一は明治11(1878)年に現在の福岡県豊前市で生まれ、35年に機械式計算機を発明。北九州市にいた鴎外の紹介で上京し、大学で飛行機を研究したが、41年に30歳で亡くなった。
機械式計算機はハンドルを回して使う歯車式で、飛行機の研究資金を得るために販売。性能は当時の海外製計算機より優れており、陸軍省などが購入した。平成20年には日本機械学会の機械遺産にも選ばれた。
寄贈品は計47点で、時価総額は1億円に上るとみられる。貴重な資料ばかりなのでしょうから是非若い人の関心を引き付けるように工夫して展示して欲しいですね。

エクセル2007部門で世界1位に!!

高校生、大学生が文書作成や表計算の技能を競う「マイクロソフト・オフィス 世界学生大会」が8月8~10日、アメリカ・ユタ州のソルトレークシティーで開催され、日本から参加した佐志原美潮さん(早稲田大1年)がエクセル2007部門で世界1位に輝いた。日本からの参加者が1位になるのは初めて。
世界学生大会は今年8回目で、54カ国・地域から延べ計11万5000人が参加。決勝戦では21カ国・地域から51人が力を競った。日本からは5人が選ばれ、佐志原さんのほか、岩里潤慈さん(長崎・専門学校メトロコンピュータカレッジ2年、エクセル2007部門4位)、中尾円香さん(日本女子大3年、同7位)、奈佐航己さん(私立岡山高1年、ワード2003部門9位)、藤吉志帆さん(福岡・私立柳川高3年、同12位)と健闘した。
佐志原さんは「難しい問題や世界大会という雰囲気に圧倒されましたが、自分にできる問題を正確に解くことができました。思ってもみなかった好成績で驚きました。将来は世界を視野に活躍したい」と喜びの声を寄せた。
「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)試験」は、ワードやエクセルなど、マイクロソフトのソフトウエアを速く正確に使えることを目指す資格。日本では1997年に始まり、累計約250万人が受験している。大きな希望を持って前進していって下さい。

2010年8月19日木曜日

ベニズワイガニとメタンハイドレート

東京大などの研究チームは18日、新潟県沖の日本海の海底で、大量のメタンが湧出(ゆうしゅつ)する場所を好んで、ベニズワイガニが密集していることがわかったと発表した。
メタンを湧出する環境がベニズワイガニにとって良好なエサ場となっていると見られるが、詳細は不明。日本海には、白いシャーベット状のメタン化合物の塊で、燃える氷として注目される「メタンハイドレート」が埋蔵されている可能性があり、研究チームの松本良・東大教授は「カニの密集を調べることで、メタンハイドレート探査の手がかりになる」と期待している。
研究チームは、メタン湧出地である新潟県沖はベニズワイガニの一大生息地であることに着目。海中ロボット「ツナサンド」を使い、ベニズワイガニが生息する直江津港沖合30〜40キロの海底12か所(各800平方メートル)を連続撮影した。
大量のメタンが湧出する9か所では、通常の生息密度の数倍〜約80倍、最大3341匹ものカニが密集していた。メタン放出が少ない残り3か所は平均か全くいなかった。
カニは、メタンを起源とする炭酸塩などでできた岩や、メタンを栄養源とする微生物の集合体「バクテリアマット」などに特に密集。そこではエサとなる生物が豊富と見られる。ベニズワイガニは食料資源としてメタンハイドレートはエネルギー資源として上手く活用すれば一挙両得が狙えそうですね。海洋国家日本頑張れ!といった所ですね。

劣性遺伝子が抑制される詳細なメカニズムが解明

奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の高山誠司教授らの研究グループは、細胞内には優性と劣性の遺伝子がペアで含まれ、優性遺伝子の性質のみが次代に現れるメンデルの「優性の法則」について、優性遺伝子に劣性遺伝子を抑える機構が存在することを発見し、19日付の英科学誌「ネイチャー」に発表した。高山教授らは平成18年に劣性遺伝子が化学反応で働けないようにされていることを突き止めていたが、今回の発見で、劣性遺伝子が抑制される詳細なメカニズムが解明された。
両親から1組ずつの遺伝子を受け継ぐ子に、片方の性質のみが現れることはメンデルがエンドウマメの交配実験で発見した優性の法則で証明されたが、詳細なメカニズムについては未解明の点が多かった。
今回、高山教授らはアブラナ科植物の葯(やく)を解析し、その結果、優性遺伝子に隣接する別の遺伝子で作られる24塩基の低分子RNAと呼ばれる物質の作用で、劣性遺伝子が「メチル化」という化学反応を起こし、働きを抑えこまれていることがわかったという。
高山教授は「今回解明できたメカニズムを利用すれば、有用な遺伝形質のみを人為的に発現させることも可能になる。植物の品種改良にも貢献できるのでは」と話している。遺伝子操作が含まれますから植物の改良程度に抑えて欲しい思いもありますね。

船舶から地上にハイビジョン映像を送信する実験に成功

宇宙航空研究開発機構と海洋研究開発機構は18日、次世代高速通信技術の試験衛星「きずな」を使って、従来の70倍以上の通信速度となる最大37Mbpsで、相模湾を航行中の船舶から地上にハイビジョン映像を送信する実験に成功したと発表した。
太平洋上の船舶と地上を結んだブロードバンド並みの高速通信が可能なことを実証した。
船舶からの高速通信は、衛星を追尾するのが難しいが、今回の実験で、時速10キロ・メートル前後で航行する海洋機構の調査船「かいよう」は、波による揺れを吸収し、きずなを追尾する自動アンテナを装備。無人深海探査機が撮影した映像を、きずなで中継して宇宙機構の筑波宇宙センターに送信した。きずなは2008年に打ち上げられ、既に155Mbpsで利用者に情報配信が可能なことを確認している。無重力の世界と高圧の世界とがコラボして深海の秘密を解き明かす事ができる時代になったのかもしれませんね。

2010年8月18日水曜日

脊髄損傷のマウスが歩行可能になる治癒法を開発

奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の中島欽一教授らが、脊髄(せきずい)損傷のマウスが神経幹細胞の移植と抗てんかん薬の併用で歩行可能になる治癒法を開発、その治癒のメカニズムも明らかにし、16日付の米医学誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション」(電子版)に発表した。中枢神経損傷の治療に幹細胞と抗てんかん薬を併用したのは世界で初めてで、この治療法をHINT法と命名。脊髄損傷や脳卒中などでの再生医療技術の促進が期待される。
中島教授によると、神経幹細胞は、情報処理や伝達を行うニューロン(神経細胞)と、ニューロンに栄養を与える細胞アストロサイト、神経を包む鞘(さや)をつくるオリゴデンドロサイトのもとになる幹細胞。脊髄損傷部位ではそのほとんどがアストロサイトに変化し、新しいニューロンはほとんど作られないという。
中島教授は、自身で発見した抗てんかん薬であるバルプロ酸の神経幹細胞から高い効率でニューロンへと変化させる作用を利用。脊髄を損傷したマウスの切れた神経回路に、別のマウス胎児の脳から採った神経幹細胞を移植し、バルプロ酸を腹部から注射投与すると、6週間後には21匹中15匹が後ろ脚で体を持ち上げて歩くまで回復。残りのマウスも関節が動かせるようになるなど改善した。
さらにバルプロ酸投与なしでは神経幹細胞から1%以下しか変化しないニューロンが、バルプロ酸投与で約20%に増加することが判明。増加したニューロンが、断裂した神経回路をリレーするように再構築していたことが分かった。
中島教授は「iPS細胞(人工多能性幹細胞)から患者が拒絶反応を起こさない神経幹細胞を作れば、脊髄損傷や脳卒中など中枢神経疾患の治療が期待できるのでは」と話している。脳卒中で中枢神経麻痺状態の患者の方も多いでしょうから新たな治療法が確立していくと良いですね。

2010年8月15日日曜日

コンテナの軽量化

全日空は航空機に積み込むコンテナの軽量化を始めた。世界で初めて炭素繊維強化プラスチックを骨格や底面以外の外板に使って、重量を従来の総アルミ製より約30キロ軽い約70キロに抑える一方、強度は増した。1個当たりの価格は約19万円で、従来品より約5万円高くなるが、同社は軽量化で航空機の燃料消費量を節約でき、二酸化炭素(CO2)の排出削減にもつながると期待する。
また、コンテナ内部の骨格の出っ張りを極力減らすことで、衝撃を受けても積み荷の貨物が壊れにくくなった。成田‐サンフランシスコ線を中心に7月29日から導入し、将来的に国際線用1900個すべてを更新する計画。今年度中に約500個を更新して長距離の欧米路線を中心に使用する。ボーイング777‐300型機に44個積んだ場合、サンフランシスコまでの片道で約1272キロのCO2を削減し、約516リットルの燃料節減が見込めるという。世界基準のコンテナになると良いですね。

2010年8月13日金曜日

世界最深の海底にも置ける地震観測装置

世界最深の海底にも置ける地震観測装置を、海洋研究開発機構などが開発した。
太平洋のマリアナ海溝は最深部が水深1万920メートルで、水圧が1000気圧を超えるが、その圧力に耐える容器を作製した。巨大津波の発生源となる日本海溝などで、観測の空白域を解消できると期待される。
海底地震計は、常設されている一部海域を除き、観測後に船上から信号を出して重りを外し、海上に浮上させて回収する。そのため、耐圧容器は軽さと強さを両立させる必要があり、これまでは水深6000メートル(600気圧)が限界だった。
研究チームは、容器の素材を従来のガラスからセラミックスに変更。容器の重量は従来並みの約20キロ・グラムに保ちながら、約2倍の強度を得ることに成功した。
日本海溝は、三陸沖で太平洋側のプレート(板状の岩盤)が、陸側のプレートの下に沈みこんでいる場所で、深さは8058メートルに及ぶ。巨大津波を引き起こす地震が過去に発生しており、観測体制の強化が求められていた。1000気圧とは想像もできない世界ですね。それに耐える容器の作製によって観測体制の強化がなされる事には歓迎ですね。

2010年8月11日水曜日

東北大に「てんかん科」が新設

今年3月、中里信和さんは仙台市内の民間病院の副院長から異例の抜てきを受け、東北大に「てんかん科」が新設された。医師仲間の反応は「病名を表に出すの?」。偏見の根強さを改めて痛感した。
患者は全国に100万人。一方、専門医はわずか345人。東北各県の主要都市でも、「10年前の治療」を受け、治らないままあきらめている患者に遭遇した。けいれんなどの発作のため職場を辞めるなど、病気以外の悩みを抱える人も少なくなかった。
「適切な治療さえ受ければ、大部分の発作は止まり、普通に日常生活を送れる。女性なら出産もできる。このことを多くの人に伝えたい」
もともとは脳の磁場の研究が専門。だが、「いくら難しい勉強をしても患者さんのためにならなかった」。
今月から、患者の話にじっくり耳を傾ける「1時間外来」を始めた。民間病院では経営上、実現できなかった長年の夢だ。「大学教授の方が医師にも話を聞いてもらいやすい。全国をつじ説法して回りたい」と目を輝かせた。圧倒的に医師の数が不足していますね。偏見の根強い病気ですから多くの人に理解をしてもらう行脚が続きそうですね。頑張って下さい。そして多くの患者が治癒する方向にすすんでいって欲しいですね。

佐竹製作所

精密機器関連部品メーカーの佐竹製作所(東京都千代田区)は4日、東京大学情報理工学系研究科が特許申請した世界初の3次元方向の変位を検出できる「ロボット埋め込み型柔軟触覚センサー」について、東大とライセンス契約を締結したと発表した。東大からの基礎技術移転を受けて、ロボットの部品として製品化に向けた開発を今月から始める。
同センサーは「つねる・ひねる」という3次元方位の変化を認識できる「触覚」の機能を持っており、センサー自体が柔軟に変形するため、「つねる・なでる」という動作を加えても、ごつごつした違和感がなく、自然な手触りを実現できる。現在、家事や生活支援、介護など、ロボットの活躍の場が広がり、人間に接する機会が増えるにつれて、人間やロボット自体を傷つけないため衝撃を吸収できる「柔軟な外装」を持ったセンサーの必要性が高まっているという。
同社は、海外市場を含め15年に3億円の売り上げを見込んでいる。また、民生用のロボットだけではなく、高機能家具や医療機器、ゲーム機器への応用も視野に入れている。様々な分野で応用出来る商品があるでしょうが、あっと驚くようなユニークな商品の開発を進めて欲しいですね。

2010年8月10日火曜日

1年分の折り鶴を平和公園に!!

外国人旅行者が多く利用する長崎市の民間宿舎が9日、宿泊客の手で折られた1年分の折り鶴を平和公園の特設の場所に納めた。「長崎の平和の日にあたる今日、千羽鶴を平和公園に納めます。世界平和への気持ちを込めて鶴を折ってくれてありがとう」。協力してくれた人に電子メールで報告。この日が「8・9」であることを世界へ発信した。
この宿舎は、同市麹屋町のインターナショナルホステル「あかり」。2008年2月にオープンし、欧米中心に外国の宿泊客が8割以上を占め、若者に人気が高い。ほとんどの宿泊客が平和公園などを訪ねることから、「平和への思いを形にしよう」とラウンジの一角に折り鶴コーナーを同年末に設けた。
千羽鶴の由来や折り方を英語で紹介したボードと千代紙を置いた。興味を持った宿泊客がスタッフと交流しながら、折ってはつなげている。「それぞれが少しずつ、平和について思いをはせてくれることが大切だと思う」とオーナーの岸川信吾さん。
9日は午前10時ごろ、岸川さんとスタッフの田中さん、道口さんが約700羽を平和公園に持参。同日午後、その様子を撮影した写真を掲載してホームーページを更新、メールを送信した。今年は米国やドイツ、韓国などの約170人が対象。
岸川さんは「世界中のオフィスや家で、メールを見た人が『ああ、今日は忘れてはいけない日なんだ』と感じて家族や友人にも伝えてくれたら、温かい連鎖が生まれるはず」。小さな活動だが、思いは世界につながっている。小さな試みが世界を動かしていくのかもしれませんね。

廃水に含まれる油脂を分解浄化する微生物

福島大(福島市)は、飲食店などの廃水に含まれる油脂を分解し、浄化する微生物を発見、培養に成功したと発表した。これまで国内外で見つかった同様の微生物で最高の能力を持つといい、近く特許を出願し、実用化を目指す。
共生システム理工学類の杉森大助准教授(生物工学)の研究室が発見した。2年間にわたり、土壌や植物の葉など数百のサンプルを収集・分析し、県内の公園の土から油脂を栄養源にして生きる珍しい微生物を見つけた。0・3グラムの油脂を含む水100ミリリットルに対し、微生物の培養液1ミリリットルを入れると、24時間で60%を分解する。植物性と動物性の両方の分解が可能という。
飲食店や食品加工場などの廃水は通常、タンクなどに集めて浮いた油脂を取り除き、河川に流される。集めた油脂は産廃として焼却される。この方法では完全に油脂を除去することが難しいうえ、二酸化炭素も排出される。発見した微生物をタンクにすまわせれば、人手を使わないでほぼ完全に取り除け、油のにおいも消えるという。
杉森准教授は「非常に能力が高い微生物で、水環境の改善に向け幅広い利用が期待できる。まだ誰もやっていない研究」と話している。環境の保全のためにも是非早く実用化して欲しいですね。

2010年8月9日月曜日

イプシロン

文部科学省宇宙開発委員会の推進部会は5日、廃止された国産ロケットM5に代わり、新たな小型固体燃料ロケット「イプシロン」の開発を進めることを妥当と結論づけた。
「イプシロン」は、開発費205億円をかけ、2013年度に打ち上げを予定。全長24メートル、重さは91トンで、H2Aロケットに比べると半分以下の全長になっている。打ち上げ準備期間を世界最短の7日間に短縮し、費用をM5ロケットの約半分にあたる38億円に抑える。小型科学衛星などの打ち上げに使われる。宇宙ビジネスにおいても世界と太刀打ちできる準備期間と費用のようですね。順調に開発が進む事を期待しましょう!

金を取り込むコケ

たき火の跡などによく生えるコケの一種が、金を選択的に体内に取り込むことを、理化学研究所と非鉄金属大手「DOWAホールディングス」(東京都)の研究グループが発見した。最大で乾燥重量の約10%もの金を蓄積するという。貴金属をわずかに含む廃液から、金を再回収する技術として実用化を目指す。
金を取り込むのは、「ヒョウタンゴケ」というありふれた種。世界中に分布し、特にたき火や火災の焼け跡でよくみられる。
理研は、文部科学省の「経済活性化のための研究開発」(リーディングプロジェクト、平成15〜19年度)として植物を利用した環境浄化の研究に取り組み、ヒョウタンゴケが生物に有害な鉛を回収する能力を持つことを発見。20年からDOWAホールディングスと共同で、コケを用いた重金属廃水処理装置の開発に乗り出し、ヒョウタンゴケが金も取り込むことを新たに見つけた。
廃液から金や鉛を回収するには、成長した株ではなく、コケの赤ちゃんに相当する「原糸体(げんしたい)」を使う。研究グループは、原糸体を水槽内でクロレラのように培養する技術を開発し、2週間で300倍に増える量産性を実現した。
家電やパソコンなどの電子部品の配線、電極には金メッキが多く使用されているが、通常の回収処理法では微量の取り残しが出る。研究チームの実験では、リサイクル原料を再資源化処理した後の廃液でヒョウタンゴケを育成、2週間後にはコケ重量の10%に当たる金14・8グラムを取得できた。
鉛の回収能力は最大で重量の70%。プラチナも数%回収できることが分かった。多種の金属を含む廃液でも取り込む元素は限定され、蓄積される場所が大まかに分かれているので、回収上のメリットが大きい。
廃液中の微量な貴金属の回収は、従来はコストに見合わないとされてきたが、DOWAホールディングス側から研究チームに加わった中塚清次さん(理研客員研究員)は「鉛の浄化に加え、金回収も視野に実用化研究を進める。化学物質でなく植物を使って処理できることが重要」と語る。
ヒョウタンゴケが、なぜ金やプラチナを取り込むのかは分かっていない。理研の井藤賀(いとうが)操研究員は「通常の生き物は、そもそも細胞の中に金などが入らない」と首をかしげる。強い酸性やアルカリ性の過酷な環境でも生育するヒョウタンゴケは、進化の過程で有害な金属にも耐える能力を獲得したとも考えられる。
井藤賀さんは「コケは4億年も前から、環境に適応しながら進化してきた。持続的社会を形成する上で、もっと学ばなければならない」と話している。自然の中に全ての答えがあるのかもしれませんね。謙虚に学ばなければならないでしょうね。

2010年8月8日日曜日

皮膚細胞で作った人工の心臓大動脈弁

皮膚細胞で作った人工の心臓大動脈弁を移植することに、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が世界で初めて、ヤギで成功した。
人間とほぼ同じ大きさのヤギ(体重50キロ)の大動脈弁は、1か月経過した7日も正常に動いている。従来の人工弁が使えない子どもなどの治療に道を開く成果として注目される。
血液の逆流を防ぐ大動脈弁に異常がある心臓弁膜症などの患者には、弁を金属などで作った機械弁や、動物の心臓を加工した生体弁に置換する手術が行われる。
手術は毎年約1万件あるが、機械弁は血の塊ができやすい上、成長につれて心臓が大きくなる子どもには不向き。生体弁も約15年で劣化し、再手術が必要という欠点がある。
同センターの巽英介・人工臓器部長と中山泰秀室長らは、心臓弁と同じ線維芽細胞の多い皮膚細胞の再生力に着目。アクリル樹脂で大動脈弁の型を作り、ヤギの背中の皮膚下に埋め込んだ。
1か月後に皮膚細胞が分泌したコラーゲンが型を包み込むように固まり、直径2センチ、厚さ0・5ミリの弁ができた。ヤギの心臓に移植し、今も正常に動く。
同じ手法で作ったイヌの肺動脈弁は、3か月で心臓とほぼ一体化。肺動脈弁より高い圧力がかかる大動脈弁の作製は難しいとされるが、巽部長は「ヤギの大動脈弁も心臓と一体化している可能性がある。そうすれば生涯使える」と話す。心臓の弁の手術に実際に使用できるようになれば本当に良いですね。

40代選手大活躍

7日にニッパツ三ツ沢球技場で行われたJリーグ2部横浜FC— 岡山で、横浜FCのFW三浦知良が今季初ゴールを挙げ、自身の持つJ2最年長得点記録を更新する43歳5カ月12日での得点をマークした。チームは2—0で勝った。1部の最年長得点は1994年にジーコ(鹿島)が記録した41歳3カ月12日。後半44分から途中出場し、ロスタイムに左足で得点した。これまでの記録は、自身の42歳と16日でのゴールだった。
一方、中日の山本昌投手(44)が7日、阪神17回戦に今季初登板で先発し、6回4安打1失点で今季初勝利を挙げ、工藤公康投手(西武)と並ぶ23年連続勝利のプロ野球記録を達成した。通算成績は540試合で206勝159敗5セーブ。また山本昌は自身の持つ実働年数のセ・リーグ記録を25に伸ばし、大島康徳を抜いてプロ野球歴代単独3位となった。1位は工藤の29で、2位は野村克也の26。昨日はきしくも40代の選手が活躍する日になりましたね。日々の鍛錬が、これだけの選手生命を持続させているんでしょうね。我々も頑張らなければいけませんね。

2010年8月7日土曜日

細胞死を引き起こす原因を解明

人体のさまざまな組織や細胞に成長する能力を持つヒトのES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)の塊を一つずつバラバラにして分散培養すると、高い確率で細胞死を引き起こす原因を理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームが解明した。細胞移植治療の安全性向上に役立つという。日本時間7日付の米科学誌セル・ステム・セルに論文を発表した。
チームは平成19年、ヒトES細胞やiPS細胞に限り、分散培養を行うと99%の確率で細胞死を起こすという問題を発見。「Rhoキナーゼ」という酵素の活性化により細胞死が起こることから、この酵素の働きを阻害する薬剤を使い、細胞死を抑えることに成功したが、詳しい原因はわかっていなかった。
チームは詳細な観察を行い、分散培養の開始直後から、細胞が表面を泡立たせる激しい細胞運動を起こし、破裂して死に至る特有の現象「死の舞」を突き止めた。細胞分散と同時に細胞死を促す信号が発信されることで、細胞の骨格タンパク質「ミオシン」が過剰に活性化されることが引き金になっていた。
また、長期培養を続けると、ごくまれに死の舞を行わず、細胞死しないヒトES細胞が発生することがあることも発見。その細胞を移植すると高確率で腫瘍化することも分かった。
チームの笹井芳樹ディレクターは「死の舞を起こさない細胞を除けば腫瘍化を防ぐことができ、細胞移植治療の安全性向上につながる」と期待を寄せた。より研究を進めて再生医療の実現に具体的につながっていくと良いですね。

2010年8月6日金曜日

iCM細胞(誘導心筋細胞)

マウスの心臓や尾の線維(せんい)芽細胞から、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を経由せずに心筋細胞を作ることに、慶応大医学部の家田真樹助教らが成功した。iPS細胞が抱える安全性などの問題を回避でき、心臓再生医療を大きく前進させる可能性がある。7月まで家田さんが在籍した米グラッドストーン研究所での成果で、新開発の細胞をiCM細胞(誘導心筋細胞)と名付けた。5日付の米科学誌「セル」(電子版)に論文を発表した。
iCM細胞には、あらゆる細胞に分化できるiPS細胞のような多能性はないが、がん化の危険性が低く、分化や精製の複雑なプロセスを必要としないので、作製期間はiPS細胞(1カ月半)の3分の1程度の2週間に短縮される。
家田さんらは心筋細胞だけで特異的に働く14種類の遺伝子に着目。線維芽細胞に14遺伝子を導入すると約1%が心筋細胞に変わることを発見し、遺伝子を絞り込んだ。その結果、3つの遺伝子(Gata4、Mef2c、Tbx5)が必要不可欠で、2割近い確率で心筋細胞が得られることを確認したこの細胞をマウスの心臓に移植すると、腫瘍を作らずに心筋細胞になる。マウスの尾から採取した線維芽細胞からも、同じ方法でiCM細胞が作られた。
臨床応用が実現すると、心筋梗塞などの患者の心臓にカテーテルなどで遺伝子を送り込み、開胸手術をせずに心筋を再生できる可能性が開ける。
マウスのiCM細胞作製は米国での研究成果だが、家田さんは日本でヒトiCM細胞の作製を目指すという。日本での研究の飛躍におおいに期待したいですね。

2010年8月5日木曜日

知的財産ファンド

ライフサイエンス(生命科学)に特化した国内初の「知的財産ファンド」が9月末にも誕生する。官民でつくる産業革新機構などが週内に記者会見して発表する。機構は最大10億円(当初6億円)、武田薬品工業など民間企業数社が数千万円ずつ出資。大学や公的研究機関に眠る特許を買い取って産業界への技術移転を加速させ、日本の強みである先端医療技術を世界に売り込む戦略だ。
政府は先端医療や次世代自動車など七つの科学技術分野を成長戦略の柱に位置づけており、知財ファンドは実現に向けた具体策の一つとなる。
ファンドの投資先は(1)臓器などの再生医療の主役として期待されるヒトのES・幹細胞(2)がん(3)アルツハイマー(4)病気の診断の根拠となる指標(バイオマーカー)の4分野。国内の大学に散らばる有望な特許だけで2千件近くあるとみており、今後3年間で特許の買い取りを進める。
ファンドの運営は、製薬大手OBらが昨年7月に立ち上げた民間会社「知的財産戦略ネットワーク」が担う。特許紛争の経験者や技術の目利き役をそろえた専門家集団だ。
ファンドは特許を買い取るだけでなく、集めた特許を補足して研究したり、関連特許を追加取得したりして複数の特許をパッケージ化。特許を使いやすい状態にして国内外の製薬会社などに使う権利を与え、新薬開発などにつなげる。大学も官民ファンドへの売却なら学内の合意が得やすく、売却で得た資金を新たな研究に回せるというわけだ。
大学の特許活用はこれまで、各大学に設置された技術移転機関(TLO)や学内の知財本部が担ってきた。しかし、大学の技術は研究目的で開発されるため、特許の範囲が狭い。医薬品などの製品化に必要な周辺特許を取っていない場合が多く、事業化に結びつかない問題もあった。
文部科学省によると、2008年度に日本の大学や公的研究機関が出願した特許は9435件。大学の特許のうち活用されるのは2割程度だ。特に企業が少ない地方の大学は産業界との接点が少なく、民間活用が進みにくい。
米国ではアルナイラムなどのバイオベンチャー企業が台頭。大学から買い取った特許を集約し、製薬大手に供与する動きを強めている。フランスや韓国も政府主導で知財ファンドを立ち上げ、生命科学の特許争奪戦が激化している。大学は特許を取ったとしてもなかなか実用化に進まない事が多いですから集約的にそれらを収集しまとめて使いやすい形で民間等に提供するシステムは必要ですね。国際競争力を高めるためにも良いですし大学にとってもメリットが大きい感じがしますね。是非目標を持って進めて欲しいですね。

破れた鼓膜を再生させる新たな治療法

慢性中耳炎やけがで破れた鼓膜を、手術せずに再生させる新たな治療法を、京都大と北野病院(大阪市北区)のグループが開発した。
外来で約10分の処置で済み、完治までの期間も約3週間と短いのが特長。患者53人のうち52人の鼓膜が完全に再生した。東京都で6日開かれる日本炎症・再生医学会で発表する。
鼓膜の修復手術を受ける患者は年間数万人とされる。現在は、耳の後ろの皮下組織や筋肉を包む膜を切り取って移植する方法が主流だが、手術後の鼓膜の構造が元に戻らないなどの課題もある。グループは、破れてできた鼓膜の穴の周りをメスでわずかに傷つけた後、細胞増殖を促す物質を染み込ませたゼラチン製のスポンジを詰め、生体接着剤を数滴振りかけるという方法を開発した。
北野病院の金丸眞一医師によると、メスによる傷で穴の周りに存在する鼓膜の細胞を作る組織幹細胞が刺激を受け、穴をふさごうとする力を利用。ゼラチンスポンジ内の細胞増殖物質を栄養にして、成長するとみられる。スポンジの大半は体内で分解され、残りは完治後に取り除く。
金丸医師らが京都市伏見区の金井病院で2007年から09年にかけ、85〜10歳の53人を治療し、やけどで鼓膜が破れた1人以外は全員完治。補聴器をしていた12人のうち、10人が補聴器を外せるほど改善。元通りの鼓膜に再生したことも確認できた。やけど患者は、幹細胞が破壊されたため再生しなかったらしい。
治療費は自由診療のため約50万円かかるが、5年以内の保険適用を目指す。金丸医師は「手術や全身麻酔のリスクが高いため、鼓膜に穴が開いても修復できなかった心臓や糖尿病の患者、高齢者にとっても有望な治療法だろう」と話している。治療の問い合わせは、金井病院(075・631・1215)へ。
完治率も高いようですし患者の負担も軽減される良い治療法だと思いますね。多くの病院でもこの方法を採用していくといいですね。

はやぶさ2始動

小惑星探査機「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」について、その意義や技術を検討してきた文部科学省宇宙開発委員会の推進部会が5日、本格的な開発への移行を「妥当」と判断した。
同省は来年度予算の概算要求に、研究開発費などを盛り込む方針だ。
計画では、はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、有機物に富むと考えられる小惑星「1999JU3」に18年に到着。着陸して物質を採取し、20年に地球へ持ち帰る。太陽系の初期の姿をとどめる小惑星で有機物を含む物質が採取できれば、地球の生命の起源を知るうえで、貴重な試料になる。はやぶさの試料採取装置がうまく動かなかった教訓を踏まえ、今度は爆薬で小惑星の表面に穴を開け、内部の石などを確実に採取する。
開発費ははやぶさより約20億円高い148億円に上る見通し。ともかく良かったですね!成果が出た出ないでなく未来に向けて投資し続ける事が大事でしょうね。

触感を高感度で伝えられる手術支援ロボット

離れた場所でロボットアームを操作して手術する医師に、医療器具や患部の触覚を伝えることができる遠隔操縦型の手術支援用ロボットが、慶応大で開発された。同大が4日、ロボットを公開した。触感を高感度で伝えられる手術支援ロボットの開発は世界で初めてで、より高度な手術を可能にするという。
ロボットは理工学部の大西公平教授や医学部の森川康英教授らが作製。医師が操縦する親機と、離れた場所で親機に同調して動く子機で構成され、子機が患部に触れたり物をつかんだりしたときに、受けた力を操縦者に送り返す仕組み。
この日は、ロボットの操縦者が、アームから伝えられる触感を頼りに、数メートル先の水風船をつかむ様子などが公開された。こうした技術は、ゲーム機など幅広い分野に応用できるという。
森川教授は「触診など経験が物を言う領域の教育にも役立つ」と話している。触感まで伝えられるようになったんですね。患部に状態など手で触った感覚が伝わるので教育には多いに役立ちそうですね。

全国の博物館などで一般公開

文部科学省の中川正春副大臣が4日の会見で、今年6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」から分離された小惑星「イトカワ」の試料回収用カプセルを、全国の博物館などで一般公開させる方針を示した。
8月中に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募条件を公表して会場を選定。早ければ11月から公開を始める。首都圏では7月末から期間限定で公開されており、相模原市では2日間で約3万人が訪れた。
今月1日には筑波宇宙センターで天皇、皇后両陛下もご見学。「科学技術への認識が一層高まれば」と話す中川副大臣だが、一方で事業仕分けを受け、はやぶさの模型もあるJAXA広報施設「JAXAi」の廃止を目指すという。全国の博物館で等で公開されるというのは嬉しいニュースですね。子どもたちや一般の方々の宇宙や科学技術への関心を高めるきっかけになるといいですね。はやぶさで国民を元気にして欲しいですね。




2010年8月4日水曜日

白鵬関の健闘をねぎらわれたい

宮内庁は3日、大相撲名古屋場所で3場所連続優勝を果たした横綱白鵬関の健闘をねぎらわれたいという天皇陛下のご意向を、日本相撲協会の村山弘義理事長代行に書簡で伝えた。
書簡には、陛下が困難な状況にありながら全勝優勝を果たしたのみならず、歴代3位の連勝記録を達成した白鵬関に、おねぎらいとお祝いを伝えたいという意向をお持ちであることが記されている。
書簡のコピーを手にしたという白鵬関は東京・両国国技館で会見し、「これ以上のものはありません。光栄でございます。この前は悔しさと寂しさがあって涙を出したけど、今回は心から喜べる。これからも“国技”相撲の発展のために頑張りたい」と笑みを絶やさずに話した。真剣に自らの道に精進し邁進する姿は誰かが見ているものです。本当に良かったですね。

豊かな海を如何に守り発展させていくか使命

日本の近海は生物の多様性が極めて高く、地球上の全海洋生物種の14・6%が生息していることが、海洋研究開発機構などが参加する国際調査で明らかになった。2日付の米オンライン科学誌「プロス・ワン」に調査結果が掲載された。
調査は、海洋生物の多様性や分布、変動を調査・解析する国際プロジェクト「海洋生物センサス」の一環で、日本からは約50人の研究者が参加。1950年代以降の文献から、バクテリアから哺(ほ)乳類までの生物種を調べた。
その結果、日本の排他的経済水域内に出現する生物種は、バクテリアから哺乳類までを合わせると3万3629種が確認された。全海洋の0・9%の海域に、全世界の海洋生物種(約23万種)の14・6%が生息していることになる。文献に報告されていない生物種は約12万2000種が生息していると推定され、日本近海に生息する生物の総種数は約15万6千種にのぼるとみられる。
報告された生物種では、イカ、タコなどの軟体動物が8658種で最も多く、カニやエビなどの節足動物が6393種、魚類は3790種だった。日本近海の固有種は1872種、外来生物は39種が報告された。
世界の海洋で、日本とオーストラリア近海(約3万3千種)の生物種数が、突出していた。
調査に参加した海洋機構の藤倉克則さん(深海生物学)は「これまでも、日本近海の生態系の豊かさは指摘されていたが、包括的に評価されたのは今回が初めて。日本近海の生態系は、オーストラリア近海と並んで世界で最も豊かなことが示された。深海から浅瀬まで、地形や環境の多様性が生態系に反映されているのだと考えられる」と話している。海洋国家として、この豊かな海を如何に守り発展させていくかが日本の世界に対する使命のような気がしますね。人類の未来は海洋にある気がしますね。 

プラグインハイブリッド(PHV)タイプのバイク

ガソリンエンジンと電気モーターを併用し、家庭用コンセントで充電できるプラグインハイブリッド(PHV)タイプのバイクの発表会が3日、福岡市・天神のアクロス福岡であった。貿易会社の長剣通商(福岡県太宰府市)が中国メーカーに委託して生産。独自のバイクブランド「CKファクトリー」から5日に発売する。日本自動車工業会によると、PHVバイクの国内販売は初めて。
軽くて容量が大きい着脱式の高性能リチウムイオン電池を搭載。低速時は電気モーターで走行し、時速20キロを超えるとガソリンエンジンに自動的に切り替わる。ハイブリッド走行の燃費は、ガソリンエンジンのバイクより3割以上改善。電気モーターのみの走行も可能で、家庭用コンセントで5時間充電すれば最大50キロ走ることができる。
発表会では、排気量50CCと125CCの2台を展示。同社の萩原英輝・営業部長が「モーター音は静かで、環境負荷の小さいバイク」と強調。宮長剣社長は「今後も環境対応バイクの開発に力を入れたい」と力を込めた。
50CCは希望価格29万8千円、125CCは同39万8千円。5日から4万円値引きする400台限定のテスト販売を実施。環境意識の高い中高年層をメーンターゲットに年間2千台の販売を目指す。蓄電池の重さが問題で実用化ができなかった世界もあるのでしょうから小型軽量の高性能リチウムイオン電池の開発による所が大きいんでしょうね。値段はちょっと高い感じですが環境意識も高い日本ですからかなり売り上げを伸ばす可能性はありますね。

2010年8月3日火曜日

食品中の毒素を高速検出できる装置

富士通研究所と名古屋大学は2日、食中毒の原因となる食品中の毒素を高速検出できる装置を試作したと発表した。従来法に比べて検査時間を100分の1程度に短縮できるという。食品検査会社など向けに数年内の実用化を目指す。
試作した装置は毒素のたんぱく質とくっつく分子(人工抗体)を張り付けた金属チップを内蔵する。目的の毒素があるとそれまで光っていた人工抗体が暗くなって検出できる仕組み。
下痢や腹痛などの食中毒を起こす黄色ブドウ球菌が出す毒素エンテロトキシンの検出を試したところ、わずかな量の毒素でも10分程度で検出できた。現在の検査法は、動物の体内で作った抗体を使うなどするため、事前に特別な処理が必要で検出までに半日~24時間かかったという。
人工抗体は人の遺伝情報を作るDNA(デオキシリボ核酸)と同じ2重らせん構造をとるように合成。目的の毒素たんぱく質に結合しやすいようにアミノ酸をくっつけた。人工抗体の長さは約20ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、半導体の微細加工技術を使って金属チップに付けた。早く実用化されると良いですね。

2010年8月2日月曜日

女流王将に挑むコンピューター

「プロ棋士並み」とされる将棋ソフトの連合チームが10月11日、清水市代・女流王将に挑戦する。情報処理学会(白鳥則郎会長)の「トッププロ棋士に勝つためのコンピュータ将棋プロジェクト」の一環で、日本将棋連盟(米長邦雄会長)が受けて立った。3年半ぶりとなるプロ棋士との“真剣勝負”で、コンピューターはどんな進化を見せるのか。
将棋ソフトは、棋士と同様に、序盤、中盤、終盤で3通りの頭脳が働く。定跡通りの指し手を目指す序盤と、「詰み」の可能性をしらみつぶしに検討する終盤は、膨大な記憶量と高速計算を誇るコンピューターが得意とするところ。課題は、的確な形勢判断を求められる中盤の強化だった。
新風を吹き込んだのは、理論化学者の保木(ほき)邦仁さん(電気通信大特任助教)が開発し、2007年3月に渡辺明竜王に挑戦した「ボナンザ」だ。
形勢判断では、駒の損得や配置などを数値化した多くの指標(パラメーター)を設定し、多次元関数をつくる。従来は、棋力の高い人間がつくった評価関数をコンピューターに教え込む手法が一般的だったが、棋力の低い保木さんは評価関数づくりを機械まかせにした。膨大なプロの棋譜から優勢に導く条件をコンピューターに学習させ、評価関数を進化させたのだ。
渡辺竜王には敗れたものの「機械学習での強化に、ボナンザが成功しみんなが取り組み始めた」と、昨年の世界コンピューター選手権で優勝したGPS将棋チームの田中哲朗東京大准教授は語る。
人間が評価関数を決める手法では、パラメーターはせいぜい数百個だったが、今年の選手権を制した「激指(げきさし)」では50万個。約1千倍と爆発的に増え、将棋ソフトの棋力はプロ棋士と肩を並べるまでになったとされる。
激指を開発した北陸先端科学技術大学院大の鶴岡慶雅准教授によると、機械学習は機械翻訳や音声認識では一般的に使われ、人間が知識に基づいてプログラムを作る方が珍しいという。典型例は大手検索エンジンの入力サジェスト機能で、人間の作業ではとてもこなせないほど、流行言葉やスラング、顔文字などを貪欲(どんよく)に取り込んで変換に反映させている。
しかし、機械学習にも“落とし穴”はある。検索で突拍子もない項目が第一候補に出てきたりするのがその例だ。パラメーターが多すぎて原因をたどるのも難しく、部分的な修正は簡単ではない。
今回の対局では、東京大の並列コンピューター上で4種類のソフトが合議制で指し手を決める。「文殊」と名付けられた合議システムを担当する電気通信大の伊藤毅志助教は、その狙いを「大きな悪手を防ぐため」と説明する。
複数の予報の平均や多数決で決める手法は気象庁の長期予報でもとられ、コンピューターの判断ミスを防ぐテクニックとして期待されている。
挑戦を受けた米長会長は「答えが一つしかない局面では、コンピューターは桁違いに正確で速いが、有力候補がいくつもあるような複合的な判断では人間の方が勝る。もちろん清水(女流王将)が勝つ」と語る。
一方、情報処理学会のプロジェクトで副委員長を務める公立はこだて未来大の松原仁教授は「コンピューターが95%勝つ」と強気だ。プロジェクトの最終目標は竜王、名人に勝つこと。松原さんは「(現名人の)羽生善治さんにコンピューターが勝てば、機械学習と合議制の組み合わせで、人間の直観のような機能を持てたといえるかもしれない」という。プロ棋士との対局で有効性が実証されれば、乗り物の自動操縦や医療現場でも、機械学習と合議制の採用が進むかもしれない。
対局は、東京都文京区の東京大本郷キャンパスで行われる。
単なる将棋の勝ち負けを超えて人間の知性への挑戦といった感じになって来ていますね。また、その技術が様々な現場に応用できるほどの高さを持っているのにも驚かされますね。最後は神の創造した人間の英知と人間の作った英知との戦いの様相ですね。女流王将に勝って欲しいと思いますが結果はどうなるでしょうかね?秋までの長い期間ゆっくり待ちましょう!

前立腺がんを発症しやすくなる遺伝子

前立腺がんを発症しやすくなる遺伝子の特徴を、理化学研究所と東京大などの研究チームが突き止め、1日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表した。事前に遺伝子を調べることで、早期発見に役立つ可能性がある。
遺伝子の種類は、塩基と呼ばれる4種類の化学物質の並び方で決まる。研究チームは、並び方が1カ所だけ本来と異なる「SNP(1塩基多型)」と呼ばれる遺伝子の個人差に注目。患者4584人と健康な8801人の遺伝情報を比較した。
その結果、欧米の研究で前立腺がんとの関連が知られる31カ所のSNPのうち、19カ所が日本人と関係していることが判明。また、日本人にのみ関連する5カ所の新たなSNPを見つけ、うち1カ所は、性ホルモンを作る遺伝子に関連していた。これら計24カ所のSNPのいずれかを持つ人は、通常の人より1.13~1.75倍も前立腺がんにかかりやすいことも分かった。早期診断に役立ちそうですね。早めの実用化を期待したいですね。

ブラジルにも新幹線を!!

世界の高速鉄道建設プロジェクトの中でも有数の大型案件となるブラジル高速鉄道の事業者が、入札を通じて12月に決定する。ブラジルといえば、地上波デジタルテレビ放送(地デジ)の導入で日本がいち早く売り込みに成功、その後の南米進出の糸口となった国でもある。環境問題の高まりから今後世界各地で活発化するとみられる高速鉄道の分野で、日本がもう一度「官民一体」で存在感を示せるか、注目される。
入札は7月13日に公示された。日本の三井物産、三菱重工業、東芝、日立製作所の企業連合が落札を狙うほか、フランス、スペイン、中国、韓国などが入札に参加する見通しとなっている。
日本の強みは、いうまでもなく世界に誇る日本の新幹線の技術力。速度、運行の正確さ、これまで死者を1人も出していない安全性など、どれをとっても負けていないが、実は今回ブラジル政府が発表した入札方式では、その優位を生かし切れない可能性がある。
入札は想定運賃が安い方が勝つという非常にシンプルな方式で争われる。技術評価は、入札への参加を認めた段階ですでにハードルをクリアしたとみなされるという。同一価格が提示されれば日本の優位は変わらないものの、コスト競争になれば、日本など各国の技術を寄せ集めて開発したとされる中国など後発組の優位が大きくなる。こうした入札方式が採用されたことについて、現地関係者は「もともとコスト面などで高速鉄道計画そのものに対する批判が国民の間で根強く、政府側もわかりやすい方式を採用せざるをえなかったのではないか」と分析。「日本にとっては技術の優位をどこまで生かせるか、難しい勝負となる」とみる。
日本は地デジ日本方式を官民一体で売り込みをかけた際、現地事情に合わせた「日伯方式」を合同開発し、その後の南米各国への進出につなげた経緯がある。今回も「計画が浮上した約2年前から官民一体で現地で説明会開催などを行い、日本の技術採用に向けての下地作りを進めてきた」(関係者)という。
当初欧州方式の優位が常識だった地デジ売り込みで、日本がブラジルへの食い込みをきっかけに軒並み南米を席巻したように、地域大国であるブラジルでの勝利は、南米全体への波及効果が見込まれる。それだけに、中国はこのほどブラジルの隣国アルゼンチンとの間で鉄道近代化や技術供与などでの協力で合意するなど、各国は売り込みに躍起となっている。
競争は熾烈(しれつ)を極めているが、一方約150万人の日系人社会の存在などの点で、日本はブラジルで特別の強みを持つ。関係者は「ブラジルに新幹線を走らせたいという日系人の思いは熱い。なんとか入札に勝利し、日系人と感激を分かち合いたい」と話している。是非頑張ってブラジルにも新幹線を走らせて欲しいですね。

風レンズ

横浜で6月30日から7月2日にかけて開催された「第5回新エネルギー世界展示会」で、日本の風力発電量を急増させるかもしれない新技術が発表された。
同展示会では、目を見張るような風力タービン技術がいくつか披露された。中でも「風レンズ」と呼ばれる技術は、海上タービンを使って従来の最大3倍程度の電力を得られる可能性があるとの実験結果が出ている。
風レンズは直径112メートルの輪を用いた構造で、ちょうど虫眼鏡が太陽光線を集めるように、中心部に風力を集中させる仕組みになっている。風レンズは、海上に浮かべられた六角形の土台に設置される。
九州大学の大屋裕二教授は、この設備により発電量を「2〜3倍」にできるうえに、風力タービンにつきものの騒音が排除でき、安全性も高まると説明した。
火山の多い日本では、これまで再生エネルギーの生産は地熱発電が中心で、現在、18のプラントで国内発電量の0.2%分が地熱発電から得られている。
世界風力発電協会によると、現在、風力発電は世界の発電電力の2%を占めている。こうした状況のなか、風レンズの潜在的可能性は大きいと考えられる。その独特の容貌が、景観を損ねるとして風力タービンに否定的だった人々を引き付けるかもしれない。
だが、大屋教授は「この技術にはメリットもあるが、仮に日本市場に参入できても、風の強さや方向といった条件が異なる外国で採用されるのは容易ではないだろう」と語っている。世界基準の「風レンズ」を作って下さい。

Meguru(めぐる=環)

大阪府守口市の金属加工業、淀川製作所などの中小企業4社が共同開発した和風の電気自動車(EV)が、来年3月末をめどに発売されることが31日、分かった。京都大学発のベンチャー企業も来春からのEV量産を目指しており、関西から相次いで大手自動車メーカー以外が初めてEVの量産・販売に乗り出す。
試作車の「Meguru(めぐる=環)」は、淀川製作所などの町工場や設計事務所でつくる「あっぱれEVプロジェクト」が今年3月に完成させた。全長約2・5メートル、幅1・15メートル、高さ1・6メートルと、軽自動車よりさらに小さい3人乗りの三輪車。リチウムイオン電池を搭載し、家庭用コンセントで1時間充電すれば約40キロの距離を走行でき、最高時速は40キロという。
最大の特徴は牛車をイメージした丸みを帯びた車体。朱色の漆塗りで、屋根の内側に和紙、床に竹を敷き詰めたほか、ドアを巨大な扇子にするなど「徹底して日本製と日本的なデザインにこだわった」(淀川製作所の小倉社長)という。道路運送車両法などでは「側車付軽二輪」などと定義され、車検は不要。大手自動車メーカーのEVとは一線を画した「手軽な乗り物」として売り出す。
試作費で約200万円もかかったが、小型のガソリン自動車に対抗するため市販車の価格は100万円未満を目指す。車台やモーター、電池はアジア各国のメーカーから安く調達し、漆塗りをオプション化することで価格を抑える。
エコカーとして自治体や企業に売り込むほか、京都などの観光地でタクシーとして使われることを想定しているという。小倉社長は「こういうプロジェクトは試作して花火を打ち上げるだけで終わってしまうケースが多いが、事業化につなげないと中小企業は元気にならない」と意気込む。用途を特化して売り込めば結構売れるかもしれませんね。地場産業としてEVが育っていくと良いですね。

新しいエンジンを開発

世界で初めて小惑星との往復飛行に成功した日本の探査機「はやぶさ」のエンジンが、世界的に高い評価を受け、製造した日本のメーカーがアメリカのメーカーと共同で、この技術をもとにした新しいエンジンを開発し、国際市場で販売することになった。
「はやぶさ」のエンジンは、「イオンエンジン」と呼ばれる電気の力で動くタイプで、燃料が少なくて済むのが特徴です。小惑星のような遠い天体を往復するのに欠かせない技術とされていますが、耐久性に難があり、今回のように7年にも及ぶ長期間の飛行は世界で初めてで、その性能の高さが高く評価されています。こうした実績をもとにエンジンを製造したNECは、人工衛星のエンジンで世界トップのシェアを持つアメリカの「エアロジェット社」に対し、新しいイオンエンジンの開発を共同で行うことを提案し、6月末、アメリカ政府の承認が出たことから、業務提携の形で今月から具体的な開発を始める。NECでは、NASAの探査機のほか、通信や放送衛星など地球を回る人工衛星のエンジンとして海外の各国に売り込みを図り、3年間で20億円の受注を見込んでいる。NECは「はやぶさの成功によって国際市場に踏み出すきっかけとなった。日本の宇宙技術の高さをアピールしたい」と話しています。日本の技術力の高さが示された感じですね。より性能の高いエンジンが開発されると良いですね。