2011年8月7日日曜日

次世代スパコン

文部科学省は世界最高の性能を誇る次世代スーパーコンピューターの開発に来年度から乗り出す。計算速度は今年6月に世界一のスパコンになった理化学研究所の「京(けい)」を100倍上回る。自動車部品の設計や省エネ半導体などの開発を後押しし、日本の産業競争力の向上につなげるのが狙い。2020年ごろの実用化を目指す。
次世代スパコンは毎秒100京(京は1兆の1万倍)回の計算能力を目指す。地震・津波の予測や新材料の開発などに利用するデータを短時間で処理できるほか、宇宙開発に欠かせない情報も提供する。また次世代スパコンの消費電力は既存の技術をそのまま導入すると原発1基分になるといわれ、研究開発を通じて省エネ型半導体の実用化も後押しできる。
文科省は富士通やNEC、理化学研究所などの研究者が参加した作業部会を設置し、次世代スパコンの実用化に必要な課題の検討に着手した。12年度の概算要求に研究開発費を盛り込む方向で、年内にも具体的な開発計画を決める。
世界一のスパコンを巡っては、日米中が激しく開発競争を繰り広げる。理化学研究所と富士通が共同で開発した「京」は、昨年1位だった中国の「天河1号A」を上回り、日本のスパコンとして7年ぶりに世界一を奪還した。ただ、欧米や中国の研究機関はエクサ(100京)レベルの計算能力を持つ次世代スパコンの開発計画を進めており、1位を奪われるのは時間の問題だ。
文科省は新たな開発で世界一を維持したい考え。ただ開発費は1千億円以上に達するとみられ、国からの予算捻出は難しい。このため、文科省は開発の初期段階から「防災」や「医療」など利用目的をあらかじめ設定したうえで、民間企業などの協力を得る。
仕分け等で、物議を呼んだスパコンですが、是非、官民が一つになって世界一の位置を守って欲しいものですね。

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