宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、通信トラブルが発生していた日本初の金星探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入に失敗したと発表した。JAXAは検討チームを設置し、詳しい原因を調べる。軌道を修正すれば6年後に再チャレンジできるため、それまで機体を休眠状態にして備えるという。
日本の宇宙開発にとって悲願だった地球以外の惑星周回軌道への探査機投入は、平成15年の火星探査機「のぞみ」に続き、再び失敗した。会見した計画責任者の中村正人JAXA教授は「重力のある惑星に(探査機を)投入するのは難しかった」と話した。
JAXAによると、あかつきは7日、減速のために12分間の予定で逆噴射を開始。しかし、地球から見て金星の裏側に回っている間に、何らかの原因で緊急時モードに入り、2〜3分ほどで逆噴射を中断したと推測される。
軌道データを分析した結果、現状ではすべての燃料を使っても周回軌道に入れることは不可能と判明し、8日午前3時すぎに投入を断念したという。
機体に損傷は見られないといい、今後軌道を修正すれば平成28(2016)年12月〜同29年1月の間に2回、再投入の機会が訪れる。中村教授は「途中で科学観測も行い、(機体に搭載された)皆さんのメッセージを送り届けたい」と話した。周回軌道に投入させるには相当な技術力と運が必要なんでしょうね。6年後の再チャレンジの機会を最大限に活かして欲しいですね。
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