ヒトのiPS(人工多能性幹)細胞から作った細胞を、脊髄(せきずい)損傷で手足がまひしたサルに移植して、歩けるようになるまで回復させることに慶応大などのグループが成功した。7日、神戸市で開かれた日本分子生物学会で発表した。
慶応大の岡野栄之教授らのグループは、京都大が作ったヒトのiPS細胞から神経細胞のもとになる細胞を作製。サルの仲間のマーモセットに、脊髄損傷から9日目に移植した。移植を受けないと手足がまひして起きあがれず、握力も弱いが、移植を受けたマーモセットは、6週間後に自由に歩き回れるまで回復。握力も改善した。
経過をみた84日まで、がんはできなかった。移植した細胞がうまく働かなくなる拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を使った。
今回は、レトロウイルスを使って作製したiPS細胞を用いているので、移植した細胞が、がんを引き起こす恐れが残っている。岡野教授は、レトロウイルスを使わずに作製したiPS細胞で同様の実験を行い、人の治療に応用する準備を進めていくという。iPS(人工多能性幹)細胞の有用性は証明された感じですから安全性をより高めて人間に対する治療への準備を確実に進めていって欲しいですね。
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