2010年12月2日木曜日

ヒトiPS細胞の効率的な凍結保存液を開発

京都大再生医科学研究所の玄丞烋(げんしょうきゅう)准教授と松村和明助教のグループは1日、ヒトiPS(人工多能性幹)細胞の効率的な凍結保存液を開発したと発表した。従来法より解凍後の細胞の生存率が2倍以上高く、「iPS細胞バンクの構築などに役立つ」という。
食品添加物のポリリジンに無水コハク酸を加えた合成物質や、不凍液として用いられるエチレングリコールなどから作った。
ヒトiPS細胞は、ほかの細胞に比べ、氷の結晶によるダメージが大きい。新たな保存液は、凍結しても保存液の結晶化が抑えられて細胞への影響が少ない上、浸透圧による毒性が低いため、従来の保存液ほど凍結や解凍の作業を素早く行う必要がなく、取り扱いが簡単だという。
ヒトiPS細胞の凍結実験では、解凍後の細胞の生存率が、従来の保存液では20〜30%だったのが、新たな保存液では60〜80%に高まった。
玄准教授は「iPS細胞から分化させた体細胞や受精卵の保存にも応用が期待できる」と話している。細胞バンクの構築が早く出来るようになると良いですね。

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