平成14年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所(京都市)の田中耕一さんらの研究チームが、乳がんの悪性化に関わるとされるタンパク質の構造を世界で初めて詳しく解析することに成功した。
田中さんが8日、記者会見して明らかにした。13~15日に大阪府内で開かれる第59回質量分析総合討論会で発表するという。
人間などの生物の体を主に構成するタンパク質は、さまざまな分子と結合して変化することが知られており、結合する分子の種類や結合の方法に異常が起こることが、疾患の一因となると考えられてきた。
研究チームは今回、乳がんの悪性化に関わるタンパク質「HER2」と結合する糖の化合物(糖鎖)を解析。これまで、HER2と結合する糖鎖はすべて同じものと考えられていたが、実際には違いがあることを発見した。
田中さんらは、HER2と結合する糖鎖のほぼ全容を確認したといい、田中さんは「人それぞれに合った抗がん剤の選択に役立てれば」と話している。
研究内容が実用化されて一人ひとりにあった抗癌剤が生み出せれることを期待しましょう。
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