血液を作り出す細胞に異常が起きる難治性の血液がん「骨髄異形成症候群(MDS)」の原因となる遺伝子を、東京大医学部付属病院の小川特任准教授らの研究チームが突き止め、11日付の英科学誌「ネイチャー」電子版に発表した。
MDSは現在、骨髄移植しか有効な治療法がなく、小川特任准教授は「新しい治療法の発見につながる可能性がある」と話している。
研究チームは、20~80歳代のMDS患者29人の遺伝情報を詳細に分析。あわせて白血病など他の血液がん患者を含む約550人分の遺伝情報も調べ比較した。
その結果、MDS患者は、遺伝情報によってタンパク質が作られる際に、必要な情報だけを選び出す「スプライシング」に関係する計8種類の遺伝子のいずれかが、高い確率で変異していることを突き止めた。変異した遺伝子1種類をマウスの造血幹細胞に導入すると、MDSの主な症状のひとつである、血液を作る能力の低下が確認されたという。
MDSは白血病などと並ぶ代表的な血液のがん。発症すると正常な血液が作れなくなり、貧血や感染症にかかりやすくなったり、出血が止まらなくなったりし、急性骨髄性白血病に進行することもある。高齢者に多く、国内の患者は数万人にのぼるとみられる。
新しい治療法の発見につながっていくことを期待したいですね。
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