2010年7月27日火曜日

より質の高いiPS細胞を作製

従来とは違う因子を使い、より質の高い人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製できることを、京都大学iPS細胞研究所の中川誠人講師(幹細胞研究学)らの研究チームが世界で初めて解明し、27日付(日本時間)の米科学誌「米国科学アカデミー紀要」(電子版)に掲載された。
iPS細胞はこれまで、他の遺伝子を働かせる機能がある「cーMyc」などの因子を体細胞に組み込むことなどで作製。同因子はiPS細胞の分化を抑制するなどの働きをする一方、同細胞を組み込んだ部位に腫(しゅ)瘍(よう)ができやすいという問題があった。
そこで研究チームは、同因子と同じ機能をもつ因子「LーMyc」を使って新たなiPS細胞を作製。両iPS細胞を組み込んだマウスを用意し、経過を観察した。
この結果、「cーMyc」を使ったiPS細胞をもつマウスは1年間で全体の約7割が死亡し、そのうち半分以上が腫瘍を発症。一方、「LーMyc」では1年間で約1割の死亡率にとどまり、腫瘍の発症はほとんどみられなかった。
研究チームは、「LーMyc」はほかの遺伝子へ働きかける力が弱く、iPS細胞のがん化する遺伝子が発現しにくくなったと推測した上で、「研究を進め、臨床試験に応用できるiPS細胞の開発に努めたい」と話している。人為的に作り上げたものには様々な欠陥が潜んでいるものです。ましてや生きた細胞となると考えられない欠陥も出てくることでしょうがそれらを一つ一つクリアーして実用化に向けて進んで欲しいですね。

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