胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌が、胃の細胞内に発がん物質を送り込む仕組みを畠山昌則・東京大教授(微生物学)の研究チームが解明した。菌が胃の細胞膜を「畳返しの術」のように反転させ、現れた細胞膜の裏側に発がん物質を結合させるという。米科学誌に発表した。
人の細胞膜は二重の脂質からなり、内側の膜はホスファチジルセリンという脂質でできている。
研究チームの紙谷尚子助教らが、ピロリ菌に感染した細胞を観察したところ、菌が接触した細胞膜の部分だけが反転して、ホスファチジルセリンが表に出た。そこに、菌から分泌された発がん物質が結合。そのまま再び反転して、細胞内に運び込まれた。
畠山教授は「ピロリ菌がどうやって発がん物質を細胞内に侵入させるかは不明だった。今回、忍者のように巧みな方法をとっていることが分かった」という。ピロリ菌は抗生物質で除菌できるものの、成功率は7〜8割で、新たな予防、治療法の開発につなげたい考えだ。是非新たな予防法を確立して欲しいですね。
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