2010年6月18日金曜日

世界最高性能の移動度を持つゲルマニウムトランジスター

科学技術振興機構(JST)課題解決型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科の鳥海 明 教授らは、世界最高性能の移動度を持つゲルマニウムを用いたトランジスターを開発しました。
現在使われているトランジスターはシリコンを用いたものが主流ですが、次世代に向けてその性能を抜本的に凌駕(りょうが)する技術の開発が望まれていました。
その中でゲルマニウム単結晶におけるキャリア移動度は、電子、正孔ともにシリコンよりも格段に優れていることから、ゲルマニウムトランジスターが注目されています。しかしゲルマニウムでは、シリコンのように容易で安定な“ゲート絶縁膜の作成”が困難でした。
そこで本CRESTチームは、ゲルマニウムでゲート絶縁膜を作成する方法を、材料科学的な新たな観点で設計し、これによって従来のシリコントランジスターと比べて移動度が約2倍に上がることを実証しました。
今回開発された技術は、低電圧で高性能に動作するトランジスターの開発につながるものであり、シリコンで培われてきた情報通信技術の飛躍的発展に役立つことが期待されます。
本研究は、2010年6月15日から17日(米国ハワイ時間)に米国・ハワイで開催される「VLSIテクノロジーシンポジウム」で発表されます。
是非高速・低消費電力デバイス実現に向けた研究をさらに進めていって欲しいですね。

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