2010年6月7日月曜日

有機ELによる癌検査

次世代テレビの薄型ディスプレーなどの材料として期待される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を使い、マウス体内のがん組織を発光させることに、群馬大の竹内利行副学長らの研究グループが成功した。内視鏡では発見が難しいミリ単位のがんを見つけることができるほか、磁気共鳴画像診断装置(MRI)に比べ検査費用が抑えられるという。米科学誌「キャンサーリサーチ」に発表した。
研究グループは、有機ELの素材の一つで、低酸素状態で強く光る性質を持つ「イリジウム錯体」に着目。がん組織で酸素が補給不足になる点を利用し、新たな検査法を開発した。
実験では、がん組織を移植したマウスにイリジウム錯体を注入。光を当てると、がん組織でイリジウム錯体が発光し、がんが浮かび上がった。
体外から光を確認するため、体の奥に発生したがん組織の発見は困難だが、浅い位置にある胃がんなどの発見に応用できるという。
マウスの実験では直径2ミリのがんを発見しており、竹内副学長は「内視鏡から光を当てれば、小さながんの早期発見も期待できる」と話している。 より研究を発展させて体の奥に発生する癌にも応用できるようにして欲しいものですね。

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