ヒトのiPS細胞(新型万能細胞)などを使って、C型肝炎を治療する効果的で副作用も少ない薬の組み合わせを見つけ出すことに、森口尚史・米ハーバード大学研究員らと東京医科歯科大学のグループが成功した。
ヒトiPS細胞を創薬研究に活用した初のケースとして注目される。成果は米国肝臓病学会誌で発表した。 難治性C型肝炎の治療ではインターフェロンとリバビリンの同時投与が一般的だが、インターフェロンには発熱やうつ症状、リバビリンには重い貧血などの副作用があった。
森口研究員らは既存の治療薬など10種類から2~3種類を選択。C型肝炎ウイルスに感染した肝臓の培養細胞に同時投与して薬の効果を調べる一方、ヒトiPS細胞から作った心筋や肝臓の細胞にも同様に加えて薬の副作用を調べた。
その結果、量を4分の1に減らしたインターフェロンと、高脂血症治療薬、臨床試験中の肝がんの新薬の計3種類を組み合わせて使うと、ウイルスは10%以下まで急減。iPS細胞由来の心筋の拍動や肝臓細胞へのダメージも少なかった。C型肝炎ウイルスが感染するのはヒトとチンパンジーだけなので、動物実験による研究が難しかった。iPS細胞の研究が副次的に多くの治療や研究につながっていく可能性は大きいですね。再生医療の確立のためにも、また他の治療法等の開発のためにもiPS細胞の研究を益々進めてほしいですね。
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