道内の医師不足対策の一環として、12の医療機関を光ファイバー網でつないだ遠隔医療システムが、本格的に稼働した。情報通信技術によって医師不足を補うとともに、専門医の支援で地域病院の医師を技術、精神の両面から支える試みだ。
道は昨年度、遠隔医療に16年間取り組んできた旭川医科大の吉田晃敏学長をリーダーに、同大学病院をはじめ、市立函館病院、北見赤十字病院、名寄市立総合病院など12医療機関で、遠隔医療を普及させるための協議会を設置、ネットワークを整備した。
各医療機関は、インターネット回線を使い、大学病院と地域病院、地域病院同士、大学病院と複数の地域病院といった組み合わせで、内科や眼科、救急医療などを対象に動画像、音声を伝達しあう。
先月28日には、旭川医科大学病院と留萌市立病院、羽幌町の道立羽幌病院を結び、実際に診察する様子が報道関係者に公開された。留萌市立病院の診察室では、パソコンモニターに、羽幌病院の診察室にいる医師と心臓疾患などを抱える60歳代の男性患者が映し出された。留萌側の医師が「胸部レントゲン写真を見せてください」「心電図を見せてください」などと指示を出し、診療を行った。患者は羽幌と留萌の医師の2人から診察を受けることができる。
留萌市立病院と道立羽幌病院間では、遠隔医療システムが救急医療にも活用され、例えば、羽幌で脳卒中患者が発生した場合、留萌側の専門医と一緒に患者の状態を見ながら、迅速に治療方針を立てることができるという。
28日の診察は、映像、音声ともにスムーズに伝達された。旭川医科大で遠隔医療システムの構築に携わる守屋潔特任教授によると「映像、音声の質の向上で、数年前からようやく実用にめどがついた」という。しかし、一般のインターネット回線を利用しているため、回線の込み具合で伝達に支障が出る恐れがある。このため、旭川医科大では、遠隔医療専用回線の設置を国に訴えている。医療用の専用回線が本当に必要ですね。医師にとっても患者にとっても心強いシステムの稼働が実現した感じですね。
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