2011年1月28日金曜日

脳科学研究科

同志社大学(京都市上京区)は来年4月をめどに大学院脳科学研究科を開設する方針を固めた。脳機能に関する高度な教育と研究を行う全国でも珍しい研究科で、次世代の世界的なリーダー養成を支援する文部科学省のプログラム「リーディング大学院」への応募も予定している。
同大によると、同研究科は学研都市キャンパス(京都府木津川市)に新設し、定員は1学年10人程度。博士課程のみの5年制とする。講師は同大や外部から招聘(しょうへい)する予定。
今年4月に文科省に設置許可を申請し、7月にも入試を行う。同大は「少数精鋭の質の高い教育・研究を行い、世界レベルの博士を育てたい」としている。是非世界的なリーダーを輩出する機関に成長していって欲しいですね。

2011年1月23日日曜日

無人宇宙船こうのとり

宇宙航空研究開発機構は22日午後2時37分、国際宇宙ステーション(ISS)へ物資を運ぶ無人宇宙船こうのとり(HTV)2号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Bロケットで打ち上げた。
HTVは約15分後、高度290キロ・メートルの軌道に投入された。
HTVは食料や飲料水、といった物資のほか、日本実験棟きぼうで用いる大型実験装置など計5・3トンを搭載。高度350キロ・メートルのISSに接近し、28日未明にドッキングする。3月28日に廃棄物を積んで離脱し、翌29日に大気圏に突入して燃え尽きる。今年6月に予定されるスペースシャトルの退役後は、HTVがISSに大型装置を輸送する唯一の手段となる。打ち上げて再回収し再利用できるようになるともっと良いのかもしれませんね。

「厄介者」の二酸化炭素を資源に!!

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を、金属の触媒を使って、医薬品やプラスチックの合成に利用可能な炭素資源に変換する手法を、東京工業大学の岩沢伸治教授(有機合成化学)らのグループが開発した。
「厄介者」の二酸化炭素を資源として有効活用できれば、化石燃料の枯渇や環境問題などの解決にもつながると期待される。研究成果は米化学会誌に発表された。
二酸化炭素は非常に安定しており、反応しにくいため、工業的な利用は、尿素やポリカーボネートの生産など一部に限られている。
研究グループは、炭素化合物の反応性を高める金属触媒のロジウムに着目。ロジウムが結合しやすいように工夫した炭素化合物を使うと、ロジウムの働きで、炭素—水素の化学結合が切れやすくなり、二酸化炭素と結びつくことを発見した。是非実用化に向けて更なる研究を進めて欲しいですね。

本格的な微粒子の分析

小惑星探査機「はやぶさ」の収納容器から回収した小惑星イトカワのものとみられる微粒子の分析を大阪大のチームが22日、兵庫県佐用町の大型放射光施設「スプリング8」で始めた。本格的な微粒子の分析は初めて。
スプリング8の強力なエックス線を使い、0.03~0.1ミリメートルの微粒子約40個を解析。一つの微粒子を1800の角度からとらえて3次元コンピューター断層撮影(CT)画像を作り、内部構造や含まれる物質の組成を明らかにするとしている。結果の公表は夏以降の見通し。
スプリング8で22日開かれた説明会でチームリーダーの土山明大阪大教授(実験惑星科学)は「微粒子が30億キロ向こうから来たと思うと何とも言えない気持ち。どんな情報も見逃さないように最大限のデータを取り出したい」と話した。面白い結果が出てくる事を期待したいですね。

「ソーラーバード」構想

人工衛星を使った太陽光発電の実用化に向け、三菱電機や京大、宇宙航空研究開発機構などが、電力をマイクロ波に変換する技術の実証実験をこの春にも始めることが22日、わかった。
宇宙を模した空間でマイクロ波を10メートル伝送するもので、成功すれば、2025年以降の宇宙太陽光発電の実用化に弾みがつきそうだ。
宇宙太陽光発電は、地上の太陽光発電よりも10倍も高効率とされ、夢の発電システムとして注目されている。宇宙での太陽光の強さは地上の2倍で、日照時間は、雲などで遮られることがある地上の4〜5倍になるためだ。
三菱電機は、長さ約200メートルの楕円形の発電システムを備えた小型衛星を40基打ち上げ、原子力発電所1基分(約100万キロ・ワット)の電力をまかなう「ソーラーバード」構想を提唱している。
具体的には、赤道上空3万6000キロの静止軌道にある人工衛星で、光を鏡で集めて発電し、電力をマイクロ波に変換して地上に送る仕組みだ。マイクロ波は、人体に影響のない電波に調整し、海上などに設けた数キロ四方の受電設備で受け取り、再び電力に変換する。実用化に向けて実証実験を是非成功させて欲しいですね。

2011年1月22日土曜日

いのり星

昨年1年間に文化を通して関西から日本を明るく元気にした個人、団体を表彰する「関西元気文化圏賞」の贈呈式が20日、大阪市中央区のホテルで開かれた。発光ダイオード(LED)を使った「いのり星」で天の川を演出した平成OSAKA天の川伝説運営委員会がニューパワー賞を受賞。土居会長は「今年はもっと運動を広めたい」と語った。
LEDを光源にした球状のいのり星を大阪市の大川に放ち七夕の夜を彩った平成OSAKA天の川伝説運営委は昨年、前年の2・5倍の5万個を放流。全国の河川や湖沼で展開可能な新たな魅力の創出が評価された。
土居会長は「市民運動として盛り上がってきた。一過性のイベントではなく七夕という祭りや伝統、文化を子どもたちにつなげていきたい」と抱負を述べた。
同賞は関西の自治体や経済団体で組織する協議会が設け、過去に人形浄瑠璃文楽や阪神タイガースを表彰している。今年は他に、特別賞として鳥取県の「境港市・水木しげるロードの妖怪たちと地元関係者」、ニューパワー賞に「トイレの神様」が大ヒットしたシンガーソングライターの植村花菜さん(兵庫県出身)らが選ばれた。今年も関西から日本を元気にする活動をどんどん進めて欲しいですね。

2011年1月7日金曜日

電波望遠鏡のアンテナ

宇宙が誕生した137億年前の姿を日米欧共同で観測し、謎を解明しようという「アルマプロジェクト」が平成24年、南米チリで本格実施される。その 心臓部である電波望遠鏡のアンテナを三菱電機が受注し、中小企業80社の協力を得て兵庫県高砂市の協力工場で製造中だ。昨年の小惑星探査機「はやぶさ」の 帰還など宇宙開発への期待が膨らむ中で、日本の町工場が誇る金属加工や組み立て技術が世界最大の宇宙観測プロジェクトに挑む。
プロジェクトは、日米欧が共同で、パラボラアンテナ66台を並べた電波望遠鏡をアンデス山中にある砂漠地帯に設置する。このうち、日本が担当する16台を三菱電機が製造する。
三菱電機は平成17年から設計を開始し、1台当たりの設計図の数は、8千枚にも及んだ。1台100トンの重さの巨大アンテナを6千分の1度の角度で動か し、大阪市内に置いた一円玉を東京から判別できる精度が求められる。製造を指揮する同社通信機製作所(兵庫県尼崎市)の大島丈治・観測システム課長 は「気が遠くなった」と振り返る。
望遠鏡の設置場所は年間の気温差が60度、1日の気温差が15度ある過酷な条件だ。砂嵐を伴う強風や強い日射もアンテナにひずみを生じさせやすく、観測精度を落としかねない。
試算の結果、口径12メートルのアンテナ表面全体で完成時に許されるひずみ(凹凸の差)は、髪の毛の太さの4分の1程度という25マイクロメートル(1マイクロメートルは0・001ミリ)と判明した。
1枚(1メートル角)ずつ貼り付けるアルミ板の加工を請け負った中国地方の業者は、金属表面を磨きあげる技術で作り込み、貼り付け担当の関西のエンジニアリング業者は、アンテナ1台に1人の職人が丹念に調整しながら完成させる。
すでに4台を設置し、残る12台も製造が進んでいる。「中小の協力企業の力がなければ完成できない」(三菱電機の大島課長)プロジェクトで宇宙の謎解きに発揮される「日の丸技術」に大きな期待がかかる。日本のものづくりの技術によって宇宙誕生の謎が解き明かされる事を期待したいですね。

高精度の光センサー分子

光を当てるとほぼ100%の割合で感知でき、人間の視覚細胞の1・5倍の感度に相当する高精度の光センサー分子の開発に、奈良先端科学技術大学院大の河合壮教授(物質創成科学)らが成功し、7日発表した。
光で書き込みと消去ができる新たなディスク型記録媒体や、光があたると瞬時に固まる接着剤といった工業製品への応用が期待されるという。研究成果は近く独科学誌「アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション」(電子版)に掲載される。
従来の光センサー分子は50%程度の感度しか持たなかった。河合教授らは光の感知を妨げる分子構造のねじれやひずみを解消するため、光の反応に関わる特定分子を平面に固定化する研究を行ってきた。
物質創成科学研究科は、ゆがみのある分子に磁石のように吸着する硫黄や窒素、水素などの原子を導入。これらの原子間で電気が結合することで分子のゆがみが解消され、光を感知すればほぼすべての分子が反応する光センサー分子の開発に成功した。
河合教授は「光センサー分子が光記録ディスクに利用できれば瞬時にデータが記録でき、パソコンの低消費電力化にもつながる」と話している。様々な応用が考えられ実用化していくと良いですね。

微細カプセル

人体が医薬品を異物として解毒したり、がん細胞が抗がん剤を排出したりする防御網をかいくぐり、抗がん剤をがん細胞の奥まで運べる微細カプセルの開発に、東京大などが成功した。
 効率的ながん治療を可能にする成果で、米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに6日発表する。
カプセルの大きさは、ウイルスとほぼ同じ直径10万分の4ミリ・メートル。表面が水になじむよう素材を工夫し、血液中にまぎれさせて人体の免疫機 能に捕捉されないようにした。また、薬剤耐性を獲得したがん細胞は少ない分子からなる抗がん剤を外へ排出するポンプのような構造を持つため、細胞が取り込 む栄養分に見せかけるよう、分子の数が多いカプセルを設計した。
その結果、カプセルはがん細胞の遺伝子が収納された核の近くまで届いて初めて破壊されるようになり、抗がん剤が遺伝子の働きを邪魔してがん細胞の増殖を抑制できるようになった。
開発した片岡一則教授は「カプセルは『トロイの木馬』のように、がん細胞に気付かれず入り込める。様々なタイプの抗がん剤が利用できるので、治療の幅が大きく広がる」と話している。早く実用化されていくと良いですね。

2011年1月5日水曜日

光と熱の両方から発電できる装置

光と熱(温度差)のどちらからでも電気を作り出せる発電素子を、富士通研究所が開発した。1種類の素材だけで光と熱の両方から発電できる装置は世界初という。
 体の状態をチェックする健康モニターなど、24時間動く必要のある小型機器の電源として、数年後の実用を目指す。
素子の材料は、ポリ3ヘキシルチオフェンという有機化合物。光を受けたり、温度差が生じたりすると、電気を出す性質がある。プラスチックフィルム (縦4センチ、横5センチ)の上にこの化合物の膜を作り、フィルムを4枚つなげたところ、室内の光で1000分の1ワット、20〜50度の温度差で1億分 の1ワット程度の電力が発生した。あまりにも小さな発電量ですが是非実用化に向けて更なる研究を進めて欲しいですね。